![]() 使用済み水素化処理触媒から卑金属を回収するためのプロセス
专利摘要:
炭化水素油水素化処理用の少なくともVB族及びVIII族金属を含有するVIB族金属硫化物触媒を起源とする使用済み分散触媒から金属を回収する方法が開示される。一実施形態において、その方法は、重質油中に使用済み分散触媒を含有する流れを熱分解して1つ又は複数の軽質油生成物及びコークス様物質を提供するステップと;その使用済み分散触媒を含む流れをアンモニア及び空気を含有する浸出溶液と接触させてVIB族金属及びVIII族金属を十分な温度と圧力でその浸出溶液中に溶解させるステップと;少なくともVIB族金属錯体及び少なくともVIII族金属錯体、硫酸アンモニウム並びに少なくともVB族金属錯体及びコークスを含有する固体残留物を含有するスラリーを形成するステップと;メタバナジン酸アンモニウム及びコークスを含有する固体残留物を加圧浸出溶液(PLS)から分離して除去するステップと;そのPLSからVIB族金属の少なくとも一部及びVIII族金属の少なくとも一部を、そのpHを、VIB族及びVIII族金属を金属錯体として選択的に沈殿させるために予め選択したpHに制御することによって沈殿させるステップとを含む。 公开号:JP2011509165A 申请号:JP2010536203 申请日:2008-11-27 公开日:2011-03-24 发明作者:バデュリ、ラーフル、エス.;エイ. パワーズ、クリストファー;エイチ. モール、ドナルド;イー. レイノルズ、ブルース;ギティアン ロペス、ホセ 申请人:シェブロン ユー.エス.エー. インコーポレイテッド; IPC主号:B01J23-94
专利说明:
[0001] 本出願は、2007年11月28日に出願した米国特許出願第11/946,736号;2007年12月20日に出願した米国特許出願第12/003,218号;及び同じく2007年12月20日に出願した米国特許出願第12/004,032号の優先権を主張するものである。本出願はその開示が参照により本明細書に組み込まれている前記のものからの優先権及び便益を主張する。 本発明は使用済み水素化処理触媒から金属類を回収するためのプロセスに関する。] 背景技術 [0002] 従来の軽質油埋蔵量は高い石油生産のために枯渇しつつある。油田は、第二次及び第三次の石油回収技術における多くの新投資を必要としている。他方で、重質原油を生産及び精製するコストは新たな生産及び精製技術によって減少している。世界中の殆どの重質原油埋蔵量は、未だ資源開発されていない。石油の需要が引き続き増大すること及び軽質油と重質原油価格の大きな差を考慮すると、重質原油の埋蔵量は非常に魅力的なエネルギー源として浮かび上がっている。] [0003] 重質原油は、40〜70%の1000°Fより上で蒸発する高沸点範囲の物質(即ち、減圧残油)及び非常に少量の例えばガソリン及びジーゼル等の高需要の燃料を含有する。それ故、減圧残油を価値のある軽質製品に転化するために、新しいよりコスト効率の良い技術が必要となる。重質原油は、コーキング(coking)(例えば、ディレードコーキング(delayed coking)及び/又は流動コーキング(fluid coking))或いは水素化転換(例えば、LC−Fining及びH−OIL)等の従来型のプロセスにより軽質製品に転化することができる。しかしながら、かかる従来型のプロセスは、例えば、コークス又は重油(fuel oil)油等の望ましくない大量の副生成物を生成し、又、例えば、V、Ni、及びS等の汚染物質に非常に影響されやすい。] [0004] 精製及び化学プロセス工業においては触媒が長年幅広く使用されてきた。水素処理及び水素化分解触媒を含めた水素化処理触媒が、現在世界中の施設で幅広く採用されている。水素化処理技術はVA、VIA、VIB、VIIA、及び/又はVIII族金属の金属硫化物、例えば、二硫化モリブデン(MoS2)及び硫化ニッケル(NiS)の化合物を含む触媒を利用する。かかる金属は、重質原油の水素化転換において極めて活性に富むが、非常に高価でもある。必要な触媒の量を最小限にし、拡散の影響を最小限にするために、触媒は多くの場合担持されない。] [0005] 減圧残油及び関連する供給原料の水素化転換(重質油供給原料の改良)において、初期仕込みの0〜10%の範囲であり得る未転化物質の残存部分は、低いAPI比重(−10〜29)、高いマイクロ残留炭素分(MCR)(0〜60%)、非常に高い粘度及びアスファルテン含量を示し、恐らく触媒も含有する。それ故、例えばMoS2及びNiS等の価値の高い活性金属を回収するために利用される分離スキームは、そのプロセスを経済的に魅力あるものにする重大なステップである。未転化スラリー状ブリードオイル(unconverted slurry bleed oil)(USBO)中に残留している触媒は、その金属を回収するために取り除かれ再処理にまわされるべきであり、また、残留物の未転化部分を回収しリサイクル又はさらに処理するためにもそうされるべきである。] [0006] より重質の原油供給原料を精製する必要性の出現で、製油所は、その供給原料から金属、硫黄及びその他の汚染物質を除去するために水素化処理に対して以前より多い触媒を使用することを強いられている。これらの触媒工程は、莫大な量の使用済みの触媒を発生する。金属の価値に対する需要及び市場価格の上昇、並びにそれに関する環境意識によって、触媒は、触媒合成及びその他の用途において有用な金属の回収のための経済的な供給源として役立つことができる。] [0007] USBO中に含まれている高価な使用済み触媒は、USBOに被覆されており、基本的に水性のスラリーに対して効果的である金属抽出の従来型の技術によっては浸出させることができない。それ故追加の処理なしではその価値のある金属は回収することができない。精密濾過、限外濾過、又はナノ濾過を採用する技術、遠心分離又は水流サイクロン分離(hydrocycloning)などの重力に基づく分離、及び水性のスラリーに対しては効果的であり得る化学的回収は、同様に、USBOにより被覆された触媒に対しては満足のいく結果は与えない。] [0008] 触媒金属をリサイクルし、その金属に対する再生可能資源を提供するために、触媒の形が担持されたものであってもばらのものであっても、使用済みの触媒から金属を抽出する努力がなされてきた。米国特許出願公開第2007/0025899号は、使用済み触媒から複数のステップによりモリブデン、ニッケル、及びバナジウム等の金属を回収するプロセス及びモリブデン及びニッケル金属錯体を回収する装置を開示している。米国特許第6,180,072号は、少なくとも金属硫化物を含有する使用済み触媒から金属を回収するために溶媒抽出並びに酸化ステップを必要とする別の複雑なプロセスを開示している。] [0009] 使用済みの水素化処理触媒からモリブデン、ニッケル、及びバナジウムを含むがこれらに限定されない金属を回収するための、改善され且つ単純化されたプロセスに対する必要性が依然として存在する。] [0010] 一態様において、本発明は、重質油中にスラリー化されている使用済み分散触媒から触媒金属を回収するための方法に関する。該方法は1つ又は複数の軽質油生成物及びコークス様物質を提供するために使用した重質油中にスラリー化されている触媒を熱分解するステップを含む。触媒金属は、そのコークス様物質から回収する。] [0011] 別の態様において、該方法は、重質油中にスラリー化されている使用済み分散触媒を、その重質油中のアスファルテンをその重質油から沈殿させることを引き起こす溶媒と混合するステップを含む。微細な触媒及び沈殿したアスファルテンはその重質油及び溶媒から分離する。沈殿したアスファルテンは、重質油から分離した微細な触媒及び沈殿したアスファルテンを熱分解することによってコークス様物質に転化する。] [0012] 第三の態様において、本発明は、炭化水素油の水素化処理のためのVIII族金属を助触媒とするVIB族金属硫化物触媒に由来する使用済み分散触媒からバナジウムを含めた卑金属を回収する方法に関するものであり、その方法は、その使用済みの分散触媒をアンモニア及び空気を含有する浸出溶液と接触させてVIB族金属及びVIII族金属を浸出溶液中に溶解し、少なくともVIB族可溶性金属錯体と、少なくともVIII族可溶性金属錯体と、硫酸アンモニウムと、メタバナジン酸アンモニウム及びコークスを含有する固体残留物とを含有する加圧浸出スラリーを形成するステップと;メタバナジン酸アンモニウム及びコークスを含有する前記固体残留物を前記加圧浸出スラリーから分離及び除去するステップと;該加圧浸出溶液からVIB族金属の少なくとも一部及びVIII族金属の少なくとも一部を沈殿させるステップであって、前記沈殿を、VIB族金属の少なくとも一部及びVIII族金属の少なくとも一部を金属錯体として沈殿させるため予め選択した第一のpHで行なう上記ステップとを含む。] [0013] 別の態様において、本発明は、使用済み分散触媒からバナジウム、モリブデン及びニッケルを回収するための方法に関するものであり、その方法は、使用済みの分散触媒をアンモニア及び空気を含有する浸出溶液と接触させてモリブデン及びニッケルを浸出溶液中に溶解し、モリブデン及びニッケルの金属錯体と、硫酸アンモニウムと、メタバナジン酸アンモニウム及びコークスを含有する固体残留物とを含有する加圧浸出スラリーを形成するステップと;メタバナジン酸アンモニウム及びコークスを含有する前記固体残留物を前記加圧浸出スラリーから分離及び除去するステップと;その加圧浸出溶液のpHを硫酸の添加によって調整し、モリブデン及びニッケルの少なくとも一部を金属錯体として沈殿させるステップと;モリブデン及びニッケルの金属錯体を、入ってくるモリブデンの0.1〜5%、入ってくるバナジウムの1〜20%、及び入ってくるニッケルの1〜35%を含有する上澄み液から分離して回収するステップとを含む。] [0014] 一実施形態において、該方法は、残っているモリブデン及びニッケルの金属錯体を沈殿させるために該上澄み液にH2Sを加え、その後硫酸アンモニウム上澄み液からモリブデン及びニッケルの金属硫化物を回収するステップをさらに含む。] [0015] 別の態様において、本発明は、炭化水素油の水素化処理のためVIII族金属を助触媒とするVIB族金属硫化物触媒に由来する使用済み分散触媒からバナジウムを含めた卑金属を回収する方法に関するものであり、その方法は、使用済みの触媒をアンモニア及び空気を含有する浸出溶液と接触させてVIB族金属及びVIII族金属を浸出溶液中に溶解し、少なくともVIB族可溶性金属錯体と、少なくともVIII族可溶性金属錯体と、硫酸アンモニウムと、メタバナジン酸アンモニウム及びコークスを含有する第一の固体残留物とを含有する加圧浸出スラリーを形成するステップと;メタバナジン酸アンモニウム及びコークスを含有する前記第一の固体残留物を前記加圧浸出スラリーから分離及び除去して第一の加圧浸出溶液を形成するステップと;その第一の加圧浸出溶液からVIB族金属の少なくとも一部及びVIII族金属の少なくとも一部を沈殿させるステップであって、前記沈殿析出を、金属錯体としてVIB族金属の少なくとも一部及びVIII族金属の少なくとも一部を含む第二の固体残留物を沈殿させるため予め選択した第一のpHで行い、VIII族可溶性金属錯体の少なくとも一部を含む第二の加圧浸出溶液を形成するステップと;その第二の加圧浸出溶液から、第二の固体残留物とVB族、VIB族及びVIII族金属を実質的に含まない第一の濾液とを分離するステップと;その第二の固体残留物を第二の予め選択したpHで溶解して、VIB族金属沈殿物及びVIII族金属含有溶液を形成するステップと;そのVIB族金属沈殿物をそのVIII族金属含有溶液から分離し、前記VIB族金属沈殿物を、VIB族金属生成物を形成するのに十分な温度の希塩基中で溶解するステップを含む。] [0016] 別の態様において、本発明は、使用済み触媒からバナジウム、モリブデン及びニッケルを回収し、かなりの量のVIII族金属を回収する方法に関するものであり、その方法は、VIII族可溶性金属錯体並びに微量のVB族及びVIB族金属を実質的に含む第二の濾液を回収するステップと;その第二の濾液を第一の濾液と組み合わせて、該VIII族可溶性金属錯体と微量のVB族及びVIB族金属とを実質的に含む組み合わせた濾液を形成するステップと;その組み合わせた濾液から硫化処理をもってVB族、VIB族及びVIII族金属を沈殿させて、第三の固体残留物及び第三の濾液を形成するステップと;その第三の固体残留物をその第三の濾液から分離するステップと;その第三の固体残留物を溶解してVIII族金属製品溶液を形成するステップとを含む。] [0017] 別の実施形態において、本発明は使用済み触媒からバナジウム、モリブデン、及びニッケルを回収するとともに、肥料等の他のプロセスに対して有用な硫酸アンモニウムを製造する方法に関するものであり、その方法は、上記の工程のすべて及び第三の濾液を加水分解によるスルファミン酸塩の分解にかけて精製した硫酸アンモニウム溶液を回収するステップを含む。] [0018] 別の態様において、本発明は使用済み触媒からバナジウム、モリブデン、及びニッケルを回収する方法に関するものであり、その方法は、使用済みの触媒をアンモニア及び空気を含有する浸出溶液と接触させてモリブデン及びニッケルを浸出溶液中に溶解し、モリブデン及びニッケルの金属錯体と、硫酸アンモニウムと、メタバナジン酸アンモニウム及びコークスを含有する固体残留物とを含有する加圧浸出スラリーを形成するステップと;メタバナジン酸アンモニウム及びコークスを含有する前記固体残留物を前記加圧浸出スラリーから分離及び除去するステップと;その加圧浸出溶液のpHを硫酸の添加によって調整し、モリブデン及びニッケルの少なくとも一部を金属錯体として沈殿させるステップと;モリブデン及びニッケルの金属錯体を、入ってくるモリブデンの0.1〜5%、入ってくるバナジウムの1〜20%、及び入ってくるニッケルの1〜35%を含有するその加圧浸出溶液から分離して回収するステップとを含む。] [0019] 別の実施形態において、該方法は、残っているモリブデン及びニッケルの金属錯体を沈殿させるために該第一の濾液と該第二の濾液の組合せにH2Sを加え、その後硫酸ニッケルを含む濾過した第三の固体残留物から分離することによってモリブデン及びニッケルの金属硫化物を回収するステップをさらに含む。] [0020] 別の態様において、本発明は、炭化水素油の水素化処理のためのVIII族金属を助触媒とするVIB族金属硫化物触媒に由来する使用済み分散触媒からバナジウムを含めた卑金属を回収する方法に関するものであり、その方法は、使用済みの触媒をアンモニア及び空気を含有する浸出溶液と接触させてVIB族金属及びVIII族金属を浸出溶液中に溶解し、少なくともVIB族可溶性金属錯体と、少なくともVIII族可溶性金属錯体と、硫酸アンモニウムと、メタバナジン酸アンモニウム及びコークスを含有する第一の固体残留物とを含有する加圧浸出スラリーを形成するステップと;メタバナジン酸アンモニウム及びコークスを含有する前記第一の固体残留物を前記加圧浸出スラリーから分離及び除去して第一の加圧浸出溶液を形成するステップと;その第一の加圧浸出溶液からVIB族金属の少なくとも一部及びVIII族金属の少なくとも一部を沈殿させるステップであって、前記沈殿析出を、金属錯体としてVIB族金属の少なくとも一部及びVIII族金属の少なくとも一部を含む第二の固体残留物を沈殿させるため予め選択した第一のpHで行い、VIII族可溶性金属錯体の少なくとも一部を含む第二の加圧浸出溶液を形成するステップと;その第二の加圧浸出溶液から、第二の固体残留物とVB族、VIB族及びVIII族金属を実質的に含まない第一の濾液とを分離するステップと;その第二の固体残留物を第二の予め選択したpHで溶解して、VIB族金属沈殿物及びVIII族金属含有溶液を形成するステップと;そのVIB族金属沈殿物をそのVIII族金属含有溶液から分離し、前記VIB族金属沈殿物を、VIB族金属生成物を形成するのに十分な温度の希塩基中で溶解するステップを含む。] [0021] 別の態様において、本発明は、使用済み触媒からバナジウム、モリブデン及びニッケルを回収し、かなりの量のVIII族金属を回収する方法に関するものであり、その方法は、VIII族可溶性金属錯体並びに微量のVB族及びVIB族金属を実質的に含む第二の濾液を回収するステップと;第一の沈殿方法において第一の濾液を処理して第一の固体残留物及び第一の液体部分を形成し、別に第二の沈殿方法において第二の濾液を処理して第二の固体残留物及び第二の液体部分を形成するステップと;該第一の固体残留物を該第一の液体部分から分離して、その第一の固体残留物を、使用済み触媒を浸出溶液と接触させる前又はそれと同時にその使用済み触媒と組み合わせるステップと;その第二の固体残留物を第二の液体部分から分離してその第二の固体残留物を溶解し、VIII族製品溶液(product solution)を形成するステップとを含む。] [0022] 本発明のさらなる態様において、該第一の液体部分及び該第二の液体部分は、組み合わされてVB族、VIB族及びVIII族金属を実質的に含まない組合せの上澄み液を形成する。] [0023] 別の実施形態において、本発明は使用済み触媒からバナジウム、モリブデン、及びニッケルを回収するとともに、肥料等の他のプロセスに対して有用な硫酸アンモニウムを製造する方法に関するものであり、その方法は、上記の工程のすべての方法を含み、更に組合せの上澄み液をスルファミン酸塩の加水分解及び硫化物の酸化にかけて精製した硫酸アンモニウム溶液を回収するステップを含む。] [0024] 別の態様において、本発明は使用済み触媒からバナジウム、モリブデン、及びニッケルを回収する方法に関するものであり、その方法は、使用済みの触媒をアンモニア及び空気を含有する浸出溶液と接触させてモリブデン及びニッケルを浸出溶液中に溶解し、モリブデン及びニッケルの金属錯体と、硫酸アンモニウムと、メタバナジン酸アンモニウム及びコークスを含有する固体残留物とを含有する加圧浸出スラリーを形成するステップと;メタバナジン酸アンモニウム及びコークスを含有する前記固体残留物を前記加圧浸出スラリーから分離及び除去するステップと;その加圧浸出溶液のpHを硫酸の添加によって調整し、モリブデン及びニッケルの少なくとも一部を金属錯体として沈殿させるステップと;モリブデン及びニッケルの金属錯体を、入ってくるモリブデンの0.1〜5%、入ってくるバナジウムの1〜20%、及び入ってくるニッケルの1〜35%を含有するその加圧浸出溶液から分離して回収するステップとを含む。] [0025] 別の実施形態において、該第一の沈殿方法は、H2S及びリン酸塩を第一の濾液に加える硫化を含み、その反応は、硫酸アンモニウムからのモリブデン及びバナジウムの種を実質的に除去して第一の液体部分及び第一の固体残留物を形成するために、複数のpH値で、十分な温度及び圧力で十分な長さの時間行われる。この実施形態において第二の濾液は、H2Sを第二の濾液に加える硫化を含む第二の沈殿方法を通し、その反応を十分な温度及び圧力で十分な時間、実質的にニッケル、モリブデン及びバナジウムの種を除去するのに十分なpH値で行い、残っているモリブデン及びニッケルの金属錯体を沈殿させ、モリブデン及びニッケルの金属硫化物を、硫酸ニッケルを含む濾過した第三の固体残留物から分離することによってその後回収する。] 図面の簡単な説明 [0026] 使用済み分散触媒を含む未転化スラリー状ブリードオイル(USBO)流からの油を除去するさまざまな実施形態の概要を提供する図である。 金属回収プロセスの一実施形態の概要を示す図である。 別々の卑金属の流れの産出を含む金属回収プロセスの第二の実施形態の概要を示す図である。 別々の卑金属の流れの産出及び硫酸アンモニウム副産物の汚染除去を含む金属回収プロセスの3番目の実施形態の概要を示す図である。] [0027] 以下の用語を、本明細書を通して使用し、別段の断りのない限り以下の意味を有する。] [0028] 本明細書で使用される「重質油」供給物又は供給原料は、残油、石炭、ビチューメン(bitumen)、タールサンド等を含むがこれらに限定されない重質及び超重質原油を指す。重質油供給原料は、液体、半固体、及び/又は固体であり得る。本明細書に記載されているようにして改質することができる重質油供給原料の例としては、カナダタールサンド、ブラジルのサントス及びカンポス盆地、エジプトのスエズ湾、チャド、ベネズエラスリア州、マレーシア、及びインドネシアのスマトラからの減圧残油が挙げられるがそれらに限定はされない。重質油供給原料のその他の例としては、精製プロセスからの「樽の底層(bottom of the barrel)」及び使い残しの残滓が挙げられ、それらは、少なくとも343℃(650°F)の沸点を有する「樽の底層」及び「残滓」(「又は残油」)−−常圧塔底油、少なくとも524℃(975°F)の沸点を有する減圧塔底油、又は524℃(975°F)以上の沸点を有する「残油ピッチ」及び「減圧残留物」を含む。] [0029] 重質油供給原料の特性としては、少なくとも0.1、少なくとも0.3、又は少なくとも1の全酸価(TAN);少なくとも10cStの粘度;一実施形態における最大で15、及び別の実施形態における最大で10のAPI比重;約15〜30重量%の範囲のマイクロ残留炭素分(MCR)及び約5〜20重量%の範囲の(C7)アスファルテンが挙げられるがこれらに限定されない。一実施形態において、1グラムの重質油供給原料は、少なくとも0.0001グラムのNi/V/鉄;少なくとも0.005グラムのヘテロ原子;少なくとも0.01グラムの残留物;少なくとも0.04グラムのC5アスファルテン;少なくとも0.002グラムのMCR;原油1g当たり;少なくとも0.00001グラムの1つ又は複数の有機酸のアルカリ金属塩;及び少なくとも0.005グラムの硫黄を含有する。一実施形態において、該重質油供給原料は、少なくとも5重量%の硫黄含量及び−5から+5までのAPI比重を有する。] [0030] 一実施形態において、該重質油供給原料は、少なくとも50容積%の減圧残油を有するアサバスカビチューメン(カナダ)を含む。別の実施形態において、該供給原料は、少なくとも64容積%の減圧残油を有するボスカン(ベネズエラ)原油である。一実施形態において、該重質油供給原料は、少なくとも1000ppmのVを含有する。別の実施形態において、そのV濃度は、5000ppmと10000ppmの間で変動する。第三の実施形態においては少なくとも5000ppmである。] [0031] 本明細書で用いられる「水素化処理」とは、水素の存在下で行われる任意の処理を意味し、以下に限定はされないが、メタン生成、水性ガスシフト反応、水素添加、水素処理、水素化脱硫、水素化脱窒素、水素化脱金属、水素化脱芳香族、水素化異性化、水素化脱ろう及び選択的水素化分解を含めた水素化分解を含む。] [0032] 本明細書で使用される語句の「1つ又は複数の」又は「少なくとも1つの」は、いくつかの要素又は要素の種類、例えば、X、Y及びZ、又は、X1〜Xn、Y1〜Yn及びZ1〜Zn等に前置きされるとき、X、Y又はZから選択される単一の要素、同じ共通集合から選択される要素の組合せ(例えばX1とX2等)、並びに異なる集合から選択される要素の組合せ(例えば、X1、Y2及びZn等)を表すことを意図している。] [0033] 本明細書で引用する周期律表は、IUPAC及び米国規格基準局によって承認済みの表であり、一例は、2001年10月のロスアラモス国立研究所の化学部門による元素の周期律表である。] [0034] 一実施形態において、該使用済みの触媒は、V、Nb等のVB族金属;Ni、Co等のVIII族金属;Fe等のVIIIB族金属;Ti等のIVB族金属;Zn等のIIB族金属、及びそれらの組合せの少なくとも1つを含有する分散した(バルク(bulk)の又は担持されていない)VIB族金属硫化物触媒を起源とする。別の実施形態において、該使用済みの触媒は、炭化水素油水素化処理のためのVIII族金属を助触媒とする分散した(バルク(bulk)の又は担持されていない)VIB族金属硫化物触媒を起源とする。助触媒は、一般的にはその触媒の選ばれた特性を改良するため或いは触媒活性及び/又は選択性を修正するために触媒配合物に添加される。] [0035] 別の実施形態において、該使用済み触媒は、米国特許出願公開第2006/0060502号に開示されている一般式(X)a(M)b[(CH3CH2)cN(CH3)3]dOzであって、式中、XはVIII族非貴金属であり、Mは、Mo及びWから選択され、cは10から40までの整数であり、a:bのモル比は0.5/1から3/1までであるバルクの触媒の前駆体を起源とする。別の実施形態において、該使用済み触媒は、2007年10月31日出願の米国特許出願第11/931972号に開示されている式(Mt)a(Xu)b(Sv)d(Cw)e(Hx)f(Oy)g(Nz)hであって、式中、Mは少なくとも1つのVIB族金属、例えば、Mo、W等、又はそれらの組合せであり;Xは助触媒金属として機能し、非貴金属の、Ni、Co等のVIII族金属;Fe等のVIIIB族金属;Cr等のVIB族金属;Ti等のIVB族金属;Zn等のIIB族金属、及びそれらの組合せの少なくとも1つを表す(Xは、これ以降「助触媒金属」として表す)ものによって表される水素化処理触媒を起源とする。又、該化学式において、成分のそれぞれ(M、X、S、C、H、O及びNのそれぞれ)に対する全電荷を表しているt、u、v、w、x、y、zは、ta+ub+vd+we+xf+yg+zh=0である。下付き文字のb対aの比は0〜5の値を有する(0≦b/a≦5)。Sは、(a+0.5b)から(5a+2b)まで変動する下付き文字dの値を有する硫黄を表す。Cは、0〜11(a+b)の値を有する下付き文字eをもつ炭素を表す。Hは、0から7(a+b)まで変動するfの値を有する水素である。Oは、0から5(a+b)まで変動するgの値を有する酸素であり、Nは、0〜0.5(a+b)の値を有するhをもつ窒素を表す。一実施形態において、a及びbは、それぞれa:bの比が1:5〜10:1の範囲内であるように適当に0より大きい。別の実施形態において、特に式(M)5(X)(S)5.5、(M)5(X)(S)5.5(C)(H)(O)(N)、(M)5(X)(S)27(C)66(H)42(O)30(N)3の前駆体を有する使用済み触媒組成物に対して、a=5、b=1であり、b/aは、0.2の値を有する。使用済み触媒中にVIB族金属錯体としてモリブデンとタングステンの両方が存在する一実施形態において、そのモリブデン対タングステンのモル比は、9:1〜1:9の範囲内である。] [0036] 本明細書で使用される用語の「使用済み触媒」とは、水素化処理作業において使用され、その使用の結果、比較的低いか又は減少した触媒活性を示す触媒を指す。例えば、特定の温度における新しい触媒の反応速度定数を100%と仮定した場合、使用済み触媒のその温度に対する反応速度定数は、一実施形態においては80%以下であり、別の実施形態においては50%以下である。一実施形態において、使用済み触媒の金属成分は、VB族、VIB族、及びVIII族金属、例えば、バナジウム、モリブデン、タングステン、ニッケル、及びコバルトの少なくとも1つを含む。最も普通に遭遇する回収すべき金属は、モリブデンである。一実施形態において、使用済み触媒から回収すべき金属は、Mo、Ni、及びVの硫化物である。] [0037] 一実施形態において、該使用済み触媒は、一般に、0.01〜200ミクロンの有効平均粒径を有する分散した懸濁液の形をしている。別の実施形態において、その使用済み触媒は、0.01〜100ミクロンの平均粒径を有する。第三の実施形態において、該使用済み触媒は、0.01〜50ミクロンの平均粒径を有する分散スラリーである。一実施形態において、該使用済み触媒は、窒素吸着により測定して、0.05〜5ml/gの細孔容積を有する。さらに別の実施形態において、該使用済み触媒は、約0.2〜20ミクロンの範囲の粒度分布、及び最頻値が約6〜7ミクロンで、約4〜5ミクロンの平均粒径を有することができる。] [0038] 以下の項において、「モリブデン」と言うのは、上の式における成分(M)に対する単なる例示のための手段であり、触媒の化学式の中の(M)によって表されるその他のVIB族金属/化合物及びVIB族金属/化合物の混合物を排除すること意図するものではない。同様に、「ニッケル」と言うのは、上の式における成分(X)に対する単なる例示のための手段であり、その他の助触媒金属、即ち、触媒の式の中で使用することができる、VIII族非貴金属成分、VIIIB族金属、VIB族金属、IVB族金属、IIB族金属及びそれらの混合物を排除することを意味しない。] [0039] 本明細書で使用されるとき、「バナジウム」と言うのは、水素化処理触媒に加えることができるか又はその水素化処理供給原料中に存在する任意のVB族金属に対する単なる例示のための手段であり、金属回収のための使用済み水素化処理触媒中に存在する可能性のあるその他のVB族金属/化合物及びその混合物を排除することは意図していない。] [0040] 以下の項において、「入ってくるモリブデン」(又は「入ってくるニッケル」、又は「入ってくるバナジウム」)と言うのは、該金属回収プロセスの前に使用済み触媒中に最初に存在する金属の量を指す。] [0041] 水素化処理作業において、触媒は、一般的に、新しい触媒重量の約100重量%までの範囲の量の「汚染物質」としてのニッケル及びバナジウムが増え/により非活性化される。作業によっては、急速なコークスの堆積速度によって触媒はその全部の金属の吸着機能を達成する前に不活性化される。そのような触媒は使用済み触媒がわずか10重量%のニッケル及びバナジウム化合物を含有するときに使われなくなる。] [0042] 重質油改良:スラリー状の触媒組成物を使用して重質油を改良するためのプロセスへの適当な供給材料としては、例えば、常圧残油、減圧残油、溶媒脱アスファルト装置からのタール、常圧ガス油(atmospheric gas oil)、減圧ガス油、脱アスファルト油、オレフィン、タールサンド又はビチューメンから誘導された油、石炭から誘導された油、重質原油、フィシャー−トロプシュ法による合成油、並びに再生油廃棄物及びポリマーから誘導された油が挙げられる。その供給材料は、反応器に供給し、その中でその供給材料は、以下でさらに詳細に説明する触媒スラリー及び好ましくは水素と反応させる。一実施形態において、その反応器は、液体再循環反応器であるが、その他のタイプの逆流反応器を使用してもよい。その触媒スラリーは、以下に限定はされないが、水素化改良法、例えば、熱水素化分解、水素処理、水素化脱硫、水素化脱窒素、及び水素化脱金属等に対して有用であり得る。] [0043] 一実施形態において、重質油改良法のための供給原料は、微粉化した非担持スラリー触媒、炭素微粒子、及び金属微粒子を非転化残留炭化水素油中に含む。一実施形態においてその供給原料の固形分含量は、約5〜40重量%、例えば、約15〜30重量%又は約20〜25重量%であってよい。] [0044] 重質油転化(改質)プロセスの一実施形態において、3重量%を超えるアスファルテン濃度を有し減圧残油を50重量%より多く含有する重質原油供給原料は、高強度の転化プロセスにかけると、約80〜99重量%の範囲内の減圧残油又はアスファルテンの転化度をもたらすことができる。一実施形態において、そのプロセス条件としては、約420〜450℃の温度及び約500〜3000psi水素分圧の範囲の圧力が挙げられる。高強度転化プロセスの効果は、例えばアスファルテン等のより重質な成分の大部分がより軽質の画分に転化されるとともに、水素化転化生成物中に相溶せず、それ故、特に溶媒と混合したときは沈殿する傾向を有する高度の縮合をした少量の水素化されないアスファルテンを残すことである。] [0045] 例えば、分離(単数又は複数)等の後処理プロセスにおそらくは続く反応器からの排出流は、1つ又は複数の価値のある軽質生成物並びに使用済み分散触媒を含有する流れを含むことがある。使用済み分散触媒を含有する排出流、例えば、未転化スラリー状ブリードオイル(USBO)流の処理は、本明細書に記載されている。一実施形態において、該排出流は、2〜50重量%の間の使用済みスラリー(分散した又は微細な)触媒を含む。別の実施形態において、該使用済みスラリー触媒量は、3から30重量%までの範囲にある。第三の実施形態においては5から20重量%まで変動の範囲にある。] [0046] 触媒のコスト、より具体的には触媒を構成する高価な金属(複数可)のコストは、経済的な重質油改良法のために、使用済み触媒からの金属の回収を必要とする可能性がある。さらに、未転化供給材料からの使用済み触媒の回収により、以下でさらに詳しく説明するように、重質油の90〜100%転化を可能にし得る。しかしながら、高分子量の未転化重質油供給材料は、担持されていない触媒をそこから分離することを困難にする。さらに、従来型の濾過法は、担持されていない微細な触媒がフィルターの目詰まり又は汚損を引き起こし得るので未転化供給材料から触媒を分離するのに適さない可能性がある。] [0047] 一実施形態における前段階の水素化処理装置から回収した使用済み触媒は、金属を回収する前に、最初に洗浄/脱油してその使用済み触媒から98重量%を超える炭化水素供給材料及び生成物油を除去する。] [0048] 脱油/油の除去:重質油中にスラリー化された使用済み触媒を含む流れ(「USBO」流)を先ず脱油した後に、金属は使用済み触媒から回収することができる。一実施形態において、該使用済み触媒は、WO06117101Alに記載されているように、プロセス中で、亜臨界密度相のガスと接触させて脱油する。さらに別の実施形態においては、脱油は、炭化水素含量を2重量%未満に減少するように、膜/イオン交換、ナノ濾過、クロスフロー濾過等を含めた分離技術を使用して行なう。図1に示されているような第三の実施形態においては、USBO流は、使用済み触媒が、熱分解プロセスにおいてコークス様物質に転化されるプロセスを経て脱油される。] 図1 [0049] 図1に示されている(点線)本発明の一実施形態において、重質油(「USBO」流)中にスラリー化されている微細な触媒を含む流れは、熱的に分解又はコークス化され、粉砕され、次いで、触媒金属をそのコークス様の物質から回収することができる金属回収装置に送られる。] 図1 [0050] 第二の実施形態において、USBO流は、コーキング前に溶媒と混合し(「希釈」)、それによって、重質油中のアスファルテンがその重質油から沈殿すること、微細な触媒及び沈殿したアスファルテンをその重質油及び溶媒から分離すること(「分離」)、及び重質油から分離した微細な触媒及び沈殿したアスファルテンを熱分解することによって沈殿したアスファルテンをコークス様の物質に転化すること(「コーキング」)をもたらす。脱油プロセスに含まれるステップの説明は、以下の通りである。] [0051] 希釈:図1に示されている一実施形態において、溶媒101は、重質油中にスラリー化されている使用済みの微細な触媒を含む流れ102と約0.5/1〜5/1の体積比で混合する。第二の実施形態において、溶媒対使用済み触媒の質量比は、3:1から1:3まで変動する。一実施形態において、その溶媒は、キシレン、ベンゼン、トルエン、ケロシン、軽質ナフサ、重質ナフサ、及び/又はケロシンの群から選択される有機溶媒である。別の実施形態において、該溶媒は、ShelSol(商標)100シリーズの溶媒等の市販されている溶媒である。一実施形態において、その混合は、実質的なアスファルテンの沈殿を促すのに十分な時間量に亘り十分な温度で行われる。一実施形態において、この温度は、約55℃から75℃までの範囲にある。一実施形態において、その混合は、15分から1時間までの範囲である。別の実施形態においては、少なくとも20分間である。] 図1 [0052] 重質油中にスラリー化された微細な触媒を溶媒と混合することによって、粘度が低下し、アスファルテンと使用済み触媒の非常に微細な粒子との一部を凝集させるアスファルテンの部分的沈殿が促進される。沈殿したアスファルテン、使用済み触媒、重質油及び溶媒を含有する流れ102は、分離のための次のステップ200に送られる。] [0053] 分離:沈殿したアスファルテン及び使用済みの触媒は、次に、重質油及び溶媒から分離される。従来型の分離技術、例えば、重力デカンティング(gravity decanting)及び/又は遠心力デカンティング(centrifugal decanting)を使用することができる。使用済み触媒の回収は、90〜99.9重量%の範囲であり得る。一実施形態において、該分離は、遠心力デカンティングによって行われ、その溶媒及び炭化水素液を含有するオーバーフロー流201は、従来型の溶媒回収装置に送られ、沈殿したアスファルテン及び使用済み触媒を含有する流れ202は、乾燥/コーキングに向けて送り出される。] [0054] コーキング:MCR又はアスファルテンを700°Fから1000+°Fまでの範囲の極端な温度にさらすとき、その石油分子は、幾分かのより軽質な油生成物並びに幾分かの縮合アスファルテン及び石油コークスとしての重質分子を生ずるように「熱分解」される。図1に示されている一実施形態(点線)において、重質油中にスラリー化されている使用済みの微細な触媒を含む流れ102は、コーキング装置に直接送られる。同様に図1に示されている別の実施形態において、該流れは、最初に場合によって溶媒により処理され、分離後、その沈殿したアスファルテン及び使用済みの触媒を含有する流れは、コーキング装置に送られる。] 図1 [0055] 乾燥/コーキング装置300は、炭化水素液/固体スラリー中に含有されている何らかの炭化水素液を蒸発させ、その炭化水素液中に含有されている何らかの重質の炭化水素部分をコークス化するのに適しているとして当業者に公知の任意の装置であり得る。一実施形態において、その装置は、間接加熱式キルン、間接加熱式ロータリーキルン、間接加熱式乾燥機、間接加熱式ロータリー乾燥機、真空乾燥機、フレキシコーカー(flexicoker)又は前記のものと実質的に同様の能力を有するような任意の乾燥装置から選択される。一実施形態において、該乾燥/コーキング装置は、間接加熱式ロータリーキルンである。] [0056] コーキングステップの一実施形態において、使用済み触媒及びMCR/アスファルテンを含有する該供給材料の流れは、約350℃と約550℃の間の適当な焼成温度に加熱し、その温度をコークス化した固体材料及び炭化水素ガス流を生成するのに十分な滞留時間にわたって維持する。その装置内の雰囲気は不活性である。一実施形態において、該コーキングは、酸素のない窒素雰囲気又は任意のその他の不活性な非酸化雰囲気中或いは真空下で行われる。一実施形態において、該装置からのガスは、回収して油回収冷却器(図示せず)に供給する。該装置からのコークス化した固体物質は、使用済みの分散触媒を含有する。該触媒上に堆積した大量のコークスは、使用済み触媒から浸出/回収することが望まれるニッケル及びモリブデンへの接近を妨害し得る。一実施形態において、コーキングステップにおいて発生したコークスの量は、使用済みの触媒が重質油改良を出るときにその上に存在するコークスの量より何倍も(例えば約3から約6倍)多いものであり得る。一実施形態において、コーキングステップに起因する固体物質上に堆積されたコークスは、回収すべき金属をカプセル化しない。] [0057] 粉砕:一実施形態において、流れ301中のコークス化した固体物質は、粉砕装置400に供給される。一実施形態において、その粉砕装置は、縦型の粉砕機又は磨砕粉砕機(attrition mill)であり、その中でコークス化した物質の粒径を約2ミクロンと100ミクロンの間にまで減少させる。第二の実施形態においては5ミクロンから60ミクロンまでである。さらなる金属回収プロセスのための準備における第三の実施形態においては、10ミクロンから40ミクロンまでである。] [0058] 一実施形態(図示せず)において、流れ301中のコークス化した固体物質は、粉砕装置に行く前に、最初に、オーガー、ねじコンベヤ、ロックホッパー又は重力流等の適当な手段により、水急冷タンク又はスプレータンクに供給し、熱的にショックを与えてコークス化した粒子状物質の塊をばらばらに壊し、その物質を水性のコークス化した固体のスラリーを形成するのに十分な温度に冷却する。その粉砕したコークス化粒子は、金属回収プロセスにおいて浸出可能である十分な気孔率を保持する。図2〜4は、金属回収プロセスが多数の異なるステップを含む金属回収プロセスのさまざまな実施形態に対するフローダイアグラムである。] 図2 図3 図4 [0059] 浸出:一実施形態において、流れ1中の脱油及び乾燥した使用済み触媒粒子は、VIB族及びVIII族金属が溶液中に浸出されてVIB族及びVIII族の可溶性金属錯体を形成する浸出反応を引き起こすようにアンモニア及び空気が供給されるオートクレーブ10、即ち、マルチチャンバーの十分な温度と圧力で撹拌される容器中で、アンモニア及び空気を含有する水溶液2により最初に浸出される。一実施形態において、供給材料中の(入ってくる)VB族金属の最大90%までは、(オートクレーブからの排出後)コークス相中に残留し、入ってくるVB族金属の最大10%までが溶液中に浸出される。例えば、0.5重量%のバナジウムを含有する使用済み触媒の供給材料の流れについては、最大0.050重量%までがその浸出溶液中に浸出されることになる(供給材料の流れの全体重量に基づく)。] [0060] 一実施形態において、バナジウムはメタバナジン酸アンモニウムに転化され、モリブデンは、オルトモリブデン酸アンモニウムを含めたモリブデン酸塩化合物に転化され、ニッケル及びコバルト(もしあれば)の一部はアミン錯体、例えばコバルトアミン硫酸塩、ニッケルアミン硫酸塩等に転化され、それによって浸出される。一実施形態において、VIB族及びVIII族金属の少なくとも70重量%が溶液中に浸出される。別の実施形態においては、ニッケル及びモリブデンの少なくとも90重量%が溶液中に浸出される。] [0061] 一実施形態において、流れ1中の脱油した使用済み触媒は、米国特許出願公開第2007/0025899号に従い、使用済み触媒から金属硫化物の可溶化又は浸出を引き起こすために流れ2中にアンモニア及び空気を加えることによって加圧浸出させる。アンモニア加圧浸出の一実施形態において、その浸出は、温度につりあった圧力で行なう。第二の実施形態において、十分な浸出温度は120℃と250℃の間である。第三の実施形態において、十分な浸出温度は135℃と225℃の間である。一実施形態において、十分なオートクレーブの圧力は、0〜1200psigの範囲内である。第二の実施形態においては、100〜1000psigである。第三の実施形態においては300psigから約800psigまでである。] [0062] 一実施形態において、該使用済み触媒粒子は、60分から360分で浸出させる。別の実施形態において、該使用済み触媒粒子は、120分から300分で浸出させる。第三の実施形態において、その加圧浸出は、240分未満の時間である。] [0063] 一実施形態において、浸出する化学種の濃度及び浸出溶液のpHは、ニッケル、モリブデン、バナジウム及びコバルト(もしあれば)を錯化するのに十分な量のアンモニア及びpHを9〜13の範囲に制御するのに十分な遊離アンモニアにより最適化される。一実施形態において、アンモニア対ニッケル(存在する場合はそれに加えてくらかのコバルト)、モリブデン、及びバナジウムのモル比は、20:1〜30:1の範囲内である。別の実施形態においては、そのアンモニア濃度は少なくとも1重量%の水準で維持され、さらに別の実施形態においては2〜7重量%の範囲内で維持される。] [0064] 一実施形態において、該加圧浸出は、該浸出反応を効率的に進行させるために、アンモニア性の媒質中で、0から1200psigまでの範囲の圧力、100℃から300℃までの範囲の温度、及び8.0以上のpHで行なう。別の実施形態において、該pH水準は、9〜12の範囲内に維持する。] [0065] 別の実施形態において(図2〜4には示されていない)、該使用済み触媒は、該加圧浸出ステップの前に長時間にわたって、米国特許第6,180,072号に従って、先ずは大気圧下での苛性(caustic)浸出を行なう。] 図2 図3 図4 [0066] さらに別の実施形態において(図2〜4には示されていない)、冷却後の浸出されたスラリー11は、次の分離ステップの前に、その浸出されたスラリーの温度を90℃以下までさらに下げるために、適切な装置を備えた堆積/保持タンクに移す。] 図2 図3 図4 [0067] バナジウムを分離/回収:部分的に冷却した浸出スラリー11は、技術的に公知の物理的方法、例えば、沈降、遠心分離、デカンテーション、又は縦型遠心濾過機若しくは真空濾過機若しくはプレート及びフレーム濾過機等を用いる濾過による液−固分離にかけて、硫酸アンモニウムと一緒のVIB族及びVIII族金属錯体並びに少量のVB族金属錯体(入ってくるVB族金属の最大10重量%まで)を含有する液体流21(加圧浸出溶液流)、及び固体残留物22(コークス及び任意のVB族金属錯体(入ってくるVB族金属の最大90重量%まで)を含む)に分離される。一実施形態において、該固体残留物22は、メタバナジン酸アンモニウム(NH4VO3)等のアンモニウム含有バナジウム塩及びコークスを含む。メタバナジン酸アンモニウム(NH4VO3)としてのバナジウムは、そのコークス残留物22からその後回収する。濾液又はPLS(加圧浸出溶液)流21は、次に分離ステップにかける。] [0068] 一実施形態において、浸出スラリー11の液−固分離は、濾過装置内で行い、NH4VO3沈殿物及びコークスを含有する固体残留物22は、モリブデン酸アンモニウム、ニッケルアミン硫酸塩及び硫酸アンモニウムを含有する加圧浸出溶液からフィルターケーキ(filter cake)の形で析出させる。バナジウム等のVB族金属は、米国特許出願公開第2007/0025899号に従い、温度及びpHの変更によって、そのフィルターケーキからその後抽出/回収することができ、精製したNH4VO3は、湿潤固体として結晶化させ、その後乾燥及び焼成して五酸化バナジウムペレットにする。その回収したバナジウムは、化学触媒、ステンレス/合金スチールの作製、超電導性磁石及びバッテリーの製造としての用途を含めたさまざまな工業用途を有する。] [0069] 液−固分離に続く一実施形態において、PLS流21は、10〜100gpL(1リットル当たりのグラム数)のモリブデン、1〜20gpLのニッケル、0.05〜2.0gpLのバナジウム、及び50〜1000gpLの硫酸アンモニウムを含有する。第二の実施形態において、該PLS流は、20〜100gpL(1リットル当たりのグラム数)のモリブデン、5〜20gpLのニッケル、0.10〜1.0gpLのバナジウム、及び100〜500gpLの硫酸アンモニウムを含有する。] [0070] 加圧浸出溶液(PLS)からの金属錯体の沈殿:このステップの一実施形態において、PLS21のpHは、その沈殿前の始めに存在するVIB族金属の少なくとも90%、VIII族金属の少なくとも90%、及びVB族金属の少なくとも40%を金属錯体として沈殿するような金属錯体の選択的沈殿が起こる水準(「予め選択したpH」)に制御する。一実施形態において、該PLS中に浸出したバナジウムの約50〜80%がMo−Niの沈殿物と共に回収され、その残りは溶液中に残留する。溶液中のバナジウムの最大90%までを溶液中に残留している何らかのモリブデン及びニッケルをさらに沈殿させるためのその後の任意の硫化ステップにおいてその後回収することができる。] [0071] 一実施形態において、該pHは、VIB族金属の少なくとも95%が金属錯体として沈殿するように調節する。別の実施形態において、該予め選択したpHは、可溶性モリブデン錯体の少なくとも90%の沈殿を開始する約3.5未満である。別の実施形態において、その予め選択したpHは、可溶性タングステン錯体の少なくとも95%の沈殿を開始するpH1.0から約2.0までである。一般に、いくつかの金属は、所定のpHで沈殿物を形成することができる。例えば3より低いpHレベルで、モリブデンの方がニッケルと比較してより沈殿するが、Mo及びNiの両方(並びにもしあればCo)が沈殿する。さらに、本明細書に記載の沈殿の着想は他の金属を沈殿させるために別のpH又はpH範囲で繰り返し適用することができる。] [0072] VIB族の金属がモリブデンであり、そのモリブデンの殆ど又は大部分を沈殿させることに関心がある実施形態においては、90%を超えるそのMoを沈殿させるために、そのPLSのpHは、9.0より上から3.5より下まで低下させる。第二の実施形態においては、92%を超えるそのMoを沈殿させるために、そのPLSのpHは、3.0〜3.3のレベルに調節する。第三の実施形態においては、そのPLSのpHは、95%を超えるそのMoを沈殿させるために、2.65〜3.0のレベルに調節する。] [0073] 一実施形態においては、強い鉱酸23を、沈殿/混合容器30に加えてpHを調節する。別の実施形態において(図示せず)は、その酸は、加圧浸出溶液21(PLS)供給流に加える。金属錯体を沈殿させるために使用する酸は、比較的高いイオン化定数を有する任意の無機鉱酸を含むことができる。一実施形態においてその酸は、1.0から12.0規定までの範囲の強度で使用される。別の実施形態において、その酸は、硫酸、塩酸、リン酸、硝酸等の群から選択される。] [0074] 別の実施形態においては(図示せず)、スルフヒドロル(sulfhydryl)基又はイオン化スルフヒドロル基を有する硫黄化合物或いはスルフヒドロル基又はイオン化スルフヒドロル基を生じることができる硫黄化合物が、該PLSのpHを調節し、沈殿を引き起こすために使用される。例としては、スルフヒドロル(−SH)基又はイオン化スルフヒドリル基(−S(−1))を有する任意の硫黄化合物が挙げられるが、それらに限定はされない。スルフヒドロル又はイオン化スルフヒドロル基を含有する化合物としては、硫化水素、及び硫化物イオン、水硫化物イオン又はトリチオカルボネートイオンを含有する無機化合物、及びジチオカルバメート、キサンテート、メルカプタン等の有機化合物並びにこれらの化合物の可溶性金属塩、即ち、アルカリ金属及びアルカリ土類金属塩が挙げられる。さらに、スルフヒドリル又はイオン化スルフヒドリル基を生ずることができる硫黄化合物、例えば、チオアセトアミド及び還元できるジスルフィド類も使用することができる。使用することができる有機硫黄化合物の例としては、次のイオン:エチルキサンテートイオン、グルコースキサンテートイオン、イソプロピルキサンテートイオン、ジメチルジチオカルバメートイオン又はジエチルジチオカルバメートイオンのナトリウム、カリウム又はカルシウム塩が挙げられる。無機硫黄化合物の例としては、ナトリウムトリチオカルボネート、カリウムトリチオカルボネート、カルシウムトリチオカルボネート、硫化ナトリウム、硫化カリウム又は硫化カルシウムが挙げられる。] [0075] 一実施形態においては(図示せず)、該硫黄化合物は、硫化物含有化合物、例えば、水溶性硫化物、水溶性多硫化物、又はそれらの混合物を、該加圧浸出溶液21のpHを金属錯体の沈殿が起こる水準に調節するために使用する。一実施形態においては、硫化水素、硫化水素と苛性ソーダの組合せ、硫化アンモニウム、NaHS、又はNa2S、或いはそれらの混合物を約0.05〜0.2モルの量で使用して、ニッケル、モリブデン、コバルト等をその加圧浸出溶液21から沈殿させる。] [0076] 一実施形態において、該沈殿は、該PLS中のモリブデン及びニッケルの少なくとも90%を金属錯体として沈殿させるために、50〜90℃の範囲の温度、1〜4のpHレベル、十分な時間量、例えば、少なくとも1時間、の混合条件下で行なう。別の実施形態においては、該沈殿は、70℃の温度及び2.5と3.3の間のpHレベルで行なう。一実施形態においては、少なくとも95%のモリブデンが、2時間後に、オクタモリブデン酸アンモニウム等のモリブデン化合物として沈殿する。別の実施形態においては、ニッケルの少なくとも90%が、硫酸ニッケルアンモニウムとしてモリブデンと共に沈殿する。] [0077] 一実施形態において、該PLSのpHは、沈殿の速度並びに該PLSから沈殿する金属錯体のタイプを制御するために、沈殿ステップの少なくとも一部に亘って、添加物、例えば、鉱酸又は硫黄含有化合物、の連続添加によって連続的に調整する。] [0078] 一実施形態においては、該PLSのpHを3.5未満に調節するために、十分な量の硫酸(20〜100重量%)を使用する。別の実施形態においては、十分な量の硫酸を、3.0のpHを目標にして該PLSに加え、その混合物を、モリブデンの99%がモリブデン酸塩化合物として沈殿するまで1〜3時間にわたって60〜90℃の温度で維持する。] [0079] 該PLSから沈殿する金属の量を最大化するために、当該技術分野において公知のpH制御装置を、該PLSのpHを自動的に測定及び制御するために使用することができる。一実施形態においては、該PLSのpHを制御及び調節するためにボルタンメトリーセンサーを用いる装置が使用される。] [0080] Mo及びNi錯体の沈殿の分離/回収:容器30における沈殿の後、その固体の沈殿物は、沈降、濾過、デカンテーション、遠心分離等、又はそれらの組合せを含めた公知の手段40によって溶液から分離する。一実施形態において、その分離ステップは、低濃度のVB族、VIB族及びVIII族金属を含む(第一の)濾液42、並びにVIII族金属錯体中にVIB族を含む(第二の)固体残留物41を発生する。] [0081] 一実施形態においては、固−液分離に続いて、入ってくるモリブデンの99%超及び入ってくるニッケルの98%超を該未洗浄沈殿物41中に回収する。別の実施形態においては、入ってくるモリブデンの98%超及び入ってくるニッケルの90%超を該未洗浄沈殿物41中に回収する。] [0082] 一実施形態において、該未洗浄沈殿物41は、25〜50重量%のMo、2〜10重量%のNi、0.5重量%未満のV、30重量%未満の硫酸アンモニウム(Amsul)、1〜10重量%のSを含有し、Mo対Niの比が5:1から25:1までである。さらに別の実施形態において、該未洗浄沈殿物41は、35重量%までのMo、6重量%のNi、0.05重量%未満のV及び約28重量%の硫酸アンモニウムを含有し、明るい緑がかった青色を有しており、温かいアンモニア溶液中に溶解する。] [0083] 一実施形態において、液−固分離の後、冷却した沈殿物41は、2〜3.5の範囲のpHを有する酸性の水(図示せず)により場合によって大気温度で二重に洗浄してMo−Ni沈殿物中に取り込まれ得る接着性のAmsul(硫酸アンモニウム)を除去する。その洗浄水の一部は、オートクレーブへの供給材料として該浸出ステップにリサイクルすることができる。残留する洗浄水は、該濾液中の残りのMo及びNiのさらなる沈殿及び回収のために第一の濾液42に加えることができる。] [0084] 回収した金属を含有する固体沈殿物41は、一実施形態において、新たな触媒の作製のための触媒合成作業に送ることができる。別の実施形態において、その固体沈殿物41は、酸溶解、濾過及び溶媒抽出によってニッケルを他の金属から分離するためのさらなる処理を受けさせる。さらに別の実施形態においては、図3〜4に示すように、その固体沈殿物(第二の固体残留物)41は、さらなる分離のために容器90に移す。] 図3 図4 [0085] 一実施形態において、濾過した固体沈殿物41は、オクトモリブデン酸アンモニウムを含み、硫酸ニッケルアンモニウムの二重固体(double solid)は、そのオクトモリブデン酸アンモニウムからのニッケルの複塩(double salt)の溶解を可能にするのに十分な時間をかけて高温の酸性の水中で先ず洗浄する。図3〜4に示されているさらなる実施形態において、溶解したニッケルの複塩及び沈殿したオクトモリブデン酸アンモニウムの混合物は、適当な手段100によって分離し、ニッケル及び硫酸アンモニウム、並びにオクトモリブデン酸アンモニウムの沈殿の溶液110である第二の濾液101として回収する。一実施形態において、そのニッケル、バナジウム及び硫酸アンモニウム濃度は、それぞれ、0.01〜1重量%、0.05〜3重量%、及び20〜60重量%の範囲である。さらに別の実施形態において、その固体の淡水による置き換え洗浄後に、そのニッケル、バナジウム及び硫酸アンモニウム濃度は、それぞれ、0.01〜0.2重量%、0.05〜1重量%、及び0.05〜3重量%の範囲である。一実施形態において、該オクトモリブデン酸塩固体は、容器110中の40℃〜60℃の範囲の温度の希アンモニアで再溶解し、モリブデン酸アンモニウム及び製品溶液115を生じる。] 図3 図4 [0086] 分離ステップ40から回収した第一の濾液(上澄み液)42は、VIB族及びVIII族の卑金属を実質的に含まない。一実施形態において、実質的に含まないとは、分離ステップから回収した第一の濾液42が、金属回収用の使用済み分散触媒中のVIB族金属の0.1〜3%、使用済み分散触媒中のVB族金属の1〜20%、及び使用済み分散触媒中のVIII族金属の1〜35%を含有することを意味する。] [0087] 別の実施形態において、第一の濾液42は、主として硫酸アンモニウム(Amsul)であり、少量のモリブデン、バナジウム、及びニッケルを含む。一実施形態において、その第一の濾液42は、0.1〜2%の入ってくるモリブデン、1〜15%の入ってくるバナジウム、及び1〜30%の入ってくるニッケルを含有する。別の実施形態において、その第一の濾液42は、0.1〜1%の入ってくるモリブデン、1〜10%の入ってくるバナジウム、及び1〜15%の入ってくるニッケルを含有する。] [0088] 一実施形態における二番目の濾液101(図3〜4中)は、ニッケル及び硫酸アンモニウムの溶液である。別の実施形態において、その二番目の濾液101は、不溶性モリブデン、バナジウム及び高濃度のニッケル並びに硫酸アンモニウムを含有する。さらに別の実施形態において、その二番目の濾液101は、主としてニッケル並びに微量の残留硫化モリブデン及び酸化バナジウムを含む。一実施形態において、微量とは、1重量%未満を意味する。第二の実施形態において、微量とは、0.5重量%未満を意味する。第三の実施形態において、微量とは、0.1重量%未満を意味する。第五の実施形態において、微量とは、0.05重量%未満を意味する。図3に示されている一実施形態において、第一の濾液42及び第二の濾液101は、混合して組合せ濾液43を形成し、硫化タンク50に移送される。] 図3 図4 [0089] 残りのMo及びNiの任意の硫化物沈殿:一実施形態において、硫酸アンモニウム(Amsul)濾液中に残された少量の金属を金属硫化物としてさらに沈殿させるために、第一の濾液又は硫酸アンモニウム(Amsul)上澄み液42(加えて、沈殿物洗浄からの任意の洗浄水)のpHをさらに調節する。一実施形態において、該第一の濾液42は、硫化によりpHを調節する第一の沈殿方法50にかける。一実施形態において、そのpHは、沈殿前の上澄み液42中に初めに存在するVIB族金属の少なくとも95%及びVIII族金属の少なくとも95%を沈殿させるように調節する。] [0090] 組合せ濾液流43を含む図3の実施形態において、その組合せ濾液のpHは、残された少量の金属をさらに沈殿させるために同様に調節する。] 図3 [0091] 一実施形態において、濾液42は、400ppm未満の低溶解性ニッケル、及び1000ppm未満のモリブデンとバナジウムとの組合せ濃度並びに一実施形態においては約420gpL〜470gpL及び別の実施形態においては約450gpLであってもよい高い硫酸アンモニウム含量を含む。一実施形態において、第一の濾液42のpHは、アンモニアの添加によって7.5と8.5の間の範囲に調節し、別の実施形態においては、リン酸水素二アンモニウム(DAHP)を硫化の前に添加する。一実施形態において、その第一の沈殿方法は、大気圧から100psigまでの圧力及び60℃〜110℃の範囲の温度で行なう。] [0092] 図4に示す一実施形態において、第二の濾液101は、第二の沈殿方法120にかける。容器50中で行われる(第一の)沈殿方法の一実施形態においては、硫黄含有化合物、例えばH2Sガス及びリン酸塩の存在下、100kPsで少なくとも90分間、そのpHを、複数回塩基性から酸性/酸性から塩基性に調節し、Mo、Ni、及びV硫化物の沈殿を得る。第一の沈殿方法の一実施形態においては、それぞれ第一の液体画分及び非常に低濃度のモリブデン及びバナジウムと主として硫酸アンモニウムとを含む第一の固体残留物を含む混合物51を形成する。一実施形態において、第一の固体残留物中のモリブデン及びバナジウムの濃度は10ppm未満である。] 図4 [0093] 図4に示されている一実施形態において、ニッケルの複塩並びに微量のモリブデン及びバナジウム硫化物を含む第二の濾液101は、硫化容器120(第二の沈殿)に移動する。このステップにおいては、該組成物を、H2Sガスの存在下、90psig〜110psigの範囲の圧力、90℃〜110℃の温度範囲、7.5〜9.5のpH範囲で、約30分〜90分間、硫化沈殿反応にかけ、第二の液体画分126及び第二の固体残留物129を含む沈殿物を含む混合物121を形成する。一実施形態において、その硫化反応は、容器120中で、100psigの圧力、100℃の温度及び8と9の間のpH範囲で60分間行なう。一実施形態において、該混合物121は、分離装置125に移動して、第二の液体画分125中の第二の固体残留物129を得る。] 図4 [0094] 図4に示されている一実施形態においては、分離装置125中で、残留金属硫化物を含有する第二の固体残留物を、沈降、濾過、デカンテーション、遠心分離等、又はそれらの組合せを含めた公知の方法によって硫酸アンモニウム(Amsul)溶液から分離する。さらに別の実施形態においては、硫酸ニッケルを含む第二の固体残留物129を加圧浸出反応器130に移す。加圧浸出反応器130においては、残留物のpHを4.5と5.5の間に調節する。その残留物を、酸素の存在下、160℃と170℃の間の温度、1000〜1200kPaの範囲の全圧で、約1時間加圧浸出させる。別の発現(manifestation)においては、硫化ニッケル固体は、望ましい「製品溶液」である1未満のpHを有する極めて濃縮された硫酸ニッケル溶液140に転化する。一実施形態において、硫化ニッケルの硫酸ニッケルへの転化率は90%を上回り、別の実施形態において転化率は95%を上回り、別の実施形態において転化率は約99%である。] 図4 [0095] 図4に示されている一実施形態において、第一の固体残留物及び第一の液体画分52は、分離装置60においてそれらのそれぞれの画分に分離される。一実施形態において、第一の固体残留物62は、その後、オートクレーブ10におけるさらなる浸出のために使用済み触媒供給材料1に移すか、又は金属再生のためのその他のプロセスに移すことができる。一実施形態において、第一の液体画分61は、容器70に移し、第二の液体画分126と混合して組み合わせた上澄み液を形成し、それを、一実施形態においては、スルファミン酸塩加水分解及び硫化物酸化の対象として、一実施形態においては、精製硫酸アンモニウム溶液75を形成する。] 図4 [0096] 沈殿方法の一実施形態においては、100kPaのH2Sガスの存在下でそのpHを、7.5と9の間の水準で少なくとも1時間は維持し、Mo、Ni、及びVの硫化物を得る。コバルトが助触媒のVIII族金属として使用される一実施形態においては、コバルトの沈殿はアルカリ性の溶液のpHが増すに連れて増加するので、組み合わせた濾液43(図3)又は硫酸アンモニウム(Amsul)上澄み液42(図2)中に残されたコバルトを95%を超えて沈殿させるために、そのpHを最高12まで調節する。] 図2 図3 [0097] 一実施形態においては、水溶性硫化物含有化合物51、例えば、水溶性硫化物、水溶性多硫化物、又はそれらの混合物を、pH調整されている、図3の組み合わせた濾液43又は図2の硫酸アンモニウム(Amsul)上澄み液42(及びもしあればリサイクルした洗浄水)に加え、かくしてその中に溶解している少量の金属を沈殿させる。一実施形態において、その沈殿は、大気圧から100psigまでの圧力及び50〜95℃の範囲の温度で行なう。さらに別の実施形態においては、水溶性硫化物含有化合物を加える前に、図3の組み合わせた濾液43(又は図2の硫酸アンモニウム(Amsul)上澄み液42)にアンモニアを場合によっては加えてその溶液のpHを8に持っていく。] 図2 図3 [0098] 一実施形態において、該水溶性硫化物含有化合物は、硫化水素、硫化アンモニウム、NaHS、又はNa2S、或いはそれらの混合物の群から選択される。別の実施形態においては、ニッケル、モリブデン、コバルト等を該濾液から沈殿させるために、硫化水素を約0.05〜0.2モルの量で使用する。] [0099] 残留Mo及びNi金属硫化物の分離/回収:Ni及びMoを分離装置40からの上澄み液(濾液)42からさらに回収するために(第二の任意の)沈殿ステップ(硫化による)を採用する場合には、沈殿装置50からの金属硫化物スラリー流を分離装置60に送られる。このステップにおいて、残留金属硫化物を含有する固体沈殿物は、沈降、濾過、デカンテーション、遠心分離等、又はそれらの組合せを含めた公知の手段によって、硫酸アンモニウム(Amsul)溶液から分離される。] [0100] 一実施形態においては、フィルタープレス(図2に示されていない)を用いて、硫酸アンモニウム溶液61から金属硫化物の沈殿物62を分離する。沈殿した金属硫化物を含有する固体62は、オートクレーブによるその後の金属回収のための保持タンクに送られる。別の実施形態においては、沈殿した金属硫化物を含有するその固体62は、現場から離れた処理の金属再生業者向けの保持タンクに送られる。] 図2 [0101] 回収した上澄み液61(図2中)又は第一の沈殿方法(図3〜4)の一実施形態により回収した第一の液体画分61は、VB族、VIB族及びVIII族金属、例えば、V、Mo及びNiを実質的に含まない。一実施形態において、実質的に含まないとは、バナジウム等のVB族金属については少なくとも90%の、触媒中のVIB族及びVIII族金属、例えば、モリブデン及びニッケルについては少なくとも95%の除去率を意味する。一実施形態において、硫酸アンモニウム溶液61の分析は、300〜800gpLの硫酸アンモニウム(Amsul)、100ppm未満のVIB族金属、20ppm未満のVIII族金属、及び100ppm未満のVB族金属の濃度を示す。第二の実施形態において、上澄み液(硫酸アンモニウム溶液)61は、200〜600gpLの硫酸アンモニウム(Amsul)、50ppm未満のMo、10ppm未満のNi、及び50ppm未満のVの濃度を有する。第三の実施形態において、該溶液61は、100〜1000gpLの硫酸アンモニウム、100ppm未満のモリブデン、20ppm未満のニッケル、及び100ppm未満のバナジウムを含有する。] 図2 図3 図4 [0102] 硫酸アンモニウムは、当該技術分野において公知の方法を用いて流れ61から回収することができる。一実施形態において、その回収された硫酸アンモニウムは、肥料として使用するためにリサイクルされる。] [0103] 図3に示されている一実施形態においては、Mo、Ni、及びV金属種を含有するスラリーを固液分離ステップ60にかけた後、得られた硫化ニッケルを含む固体残留物61を、加圧浸出反応器70に移し、その中で、その残留物のpHを4.5と5.5の間の範囲に調節し、酸素の存在下、1000〜1200kPaの範囲の全圧での160℃と170℃の間の温度で、約1時間にわたって加圧浸出させる。このステップにおいて、その固体残留物61は、沈降、濾過、デカンテーション、遠心分離等、又はそれらの組合せを含めた公知の手段によって硫酸アンモニウム(Amsul)溶液から分離する。このプロセスの別の発現においては、硫化ニッケル固体は、1未満のpHを有する極めて濃縮された硫酸ニッケル溶液、望ましい製品溶液80、に転化する。一実施形態において、硫化ニッケルの硫酸ニッケルへの転化率は90%を上回り、別の実施形態においては転化率は95%を上回り、さらに別の実施形態においては転化率は約99%である。] 図3 [0104] このステップにより回収された第三の濾液72は、VB族、VIB族及びVIII族金属、例えば、V、Mo及びNiを実質的に含まない。一実施形態において、実質的に含まないとは、バナジウム等のVB族金属については少なくとも90%の、触媒中のVIB族及びVIII族金属、例えば、モリブデン及びニッケルについては少なくとも95%の除去率を意味する。一実施形態において、第三の濾液、硫酸アンモニウム溶液72、の分析は、300〜800gpLの硫酸アンモニウム(Amsul)、100ppm未満のVIB族金属、20ppm未満のVIII族金属、及び100ppm未満のVB族金属の濃度を示す。第二の実施形態において、第三の濾液(硫酸アンモニウム溶液)61は、200〜600gpLの硫酸アンモニウム(Amsul)、50ppm未満のMo、10ppm未満のNi、及び50ppm未満のVの濃度を有する。第三の実施形態において、送られた第三の濾液72は、100〜1000gpLの硫酸アンモニウム、100ppm未満のモリブデン、20ppm未満のニッケル、及び100ppm未満のバナジウムを含有する。] [0105] 図3に示されている一実施形態において、透明化された硫酸アンモニウム廃液72は、反応器73に移し、肥料用のため等のさらなる処理に適する精製硫酸アンモニウム生成物75を生ずるために、210℃と250℃の温度範囲のスチームの存在下での加水分解によるスルファミン酸塩の分解をさらに受けさせる。] 図3 [0106] 以下の例示的実施例は、限定的な意図をもつものではない。] [0107] (例1) 使用済み触媒を含有する減圧残油を、マイクロコーカー(microcoker)装置で処理し、850〜950°Fのコーキング条件にさらした。そのマイクロコーカー装置からの生成物は、分解ガス流、コーカーの液体生成物流、及び固体のコークス生成物を含んだ。そのコーカーの液体生成物流を、金属、特にモリブデン、ニッケル、及びバナジウムについて分析したが何も見つからなかった。その固体のコークス生成物を同様に分析し、その固体のコークス生成物は、かなりの量のモリブデン、ニッケル、及びバナジウムを含有することが測定された。その固体のコークス生成物をセラミックのボールミル中で325メッシュ(44μm)を100%通過するまで粉砕し、その粉にした試料を次に、その内容を全体として参照により本明細書に組み込む米国特許出願公開第2007/0025899号に教示されている条件下で加圧浸出試験にかけた。モリブデンの抽出は、99.4%と記録され、ニッケルの抽出は、86.3%と記録され、バナジウムの抽出は68.9%と記録された。] [0108] (例2) 使用済み触媒を含有する減圧残油を、重質ナフサにより3/1の溶媒/残留物の体積比で希釈した。1600g重(g−force)の遠心力及び2分間の滞留時間による分離により、10ミクロンより低い粒径を有する使用済み触媒の99.8重量%を生じた。] [0109] その分離した固体及びアスファルテン(即ち、アスファルテンが50重量%の供給材料)を大気圧で最高で950°Fまで加熱し、1時間滞留させた。その回収した固体(コークス及び触媒)を磨砕又は粉砕し、即ち約1ミクロンより大きく50ミクロン未満の粒径範囲まで粉にして、Mo及びNiの99.8重量%の金属回収に適している粉にした材料を生じさせた。特に、その材料は、価値のある金属、例えば、Mo、Ni、V、及びその他のVA族、VIA族、VIIA族、及びVIII族金属等を回収するためのアンモニア性溶液中での加圧浸出に適していた。] [0110] (例3) 約5重量%のMoS2及びNiS触媒を含有する減圧残留物。該残留物の流れを、溶媒/残留物の2/1の体積比の重質ナフサと、2000g重(g−force)で1分間の滞留時間接触させて、99.9重量%の触媒及び50重量%の元のアスファルテンを含有するペースト(水素化分解装置への初期の供給原料基準で1重量%未満)を生じた。そのペーストを、マイクロコーカー装置内で処理して950°F前後のコーキング条件にさらした。そのマイクロコーカーからの生成物は、分解ガス流(13重量%)、コーカー液生成物流(26重量%)、及び固体のコークス生成物(61重量%)を含んだ。その固体のコークス生成物を分析し、そのコークスがかなりの量のMo、Ni、及びVを含有することが測定された。そのコークス生成物をセラミックのボールミル中で325メッシュ(44μm)を100%通過するまで粉砕し、次に、加圧浸出にかけた。いくつかの実験を行い、それぞれにおいて、以下で概要を示すように、Moの抽出は99重量%より多く、Niは、87重量%より多く、Vは、70重量%より多かった。その結果は、表1に示す通りである。] [0111] コークス化試料についての加圧浸出試験の条件 仕込み:115.0gの乾燥粉砕したコークス化触媒試料、100%−44μm 2.0L溶液(6MのNH3及び30g/Lの(NH4)2SO4)、2滴のAerosol OT−75 温度:150℃ 全圧:2800kPa(ゲージ) 酸化剤:圧搾空気。圧力維持のため必要の都度スパージャー(sparger)を通る。 通気速度:1.0L/分 装置:4Lステンレス鋼バッチ式オートクレーブ、邪魔板(buffle)付き、1120回転/分で回転する二重軸流インペラ(直径7.6cm)によるかき混ぜ、コンデンサ及びロータメータによる通気 ・リサーチラボで2.94NのH2SO4により滴定] [0112] (例4) コークス化した試料に関する加圧浸出試験について以下の条件で例3を繰り返した。結果を表2に示す。 仕込み:50.6gの乾燥粉砕したコークス化触媒試料、100%−44μm 2.0L溶液(80g/LのNH3及び30g/Lの(NH4)2SO4)、2滴のAerosol OT−75 温度:150℃ 全圧:2800kPa(ゲージ) 酸化剤:圧搾空気。圧力維持のため必要の都度スパージャーを通る。 通気速度:0.5L/分 装置:4Lステンレス鋼バッチ式オートクレーブ、邪魔板付き、1120回転/分で回転する二重軸流インペラ(直径7.6cm)によるかき混ぜ、コンデンサ及びロータメータによる通気 ・リサーチラボで2.94NのH2SO4により滴定] [0113] (例5) この例においては、9.2のpHを有するPLS(濃い青色)流を単段の濃硫酸(96%)添加により約3.0に調節した。そのPLS組成物は、33gpLの遊離のNH3、80.9gpLのMo、7.9gpLのNi、0.17gpLのV及び277gpLの硫酸アンモニウム(Amsul)を含んでいた。70℃の温度で約2時間の混合後、モリブデンの約99%がモリブデン化合物として沈殿する。残留Niの約98%もそのモリブデンと共に沈殿する。その化合物はオクタモリブデン酸アンモニウム及び硫酸ニッケルアンモニウムの混合物であると考えられる。] [0114] そのスラリーを大気温度まで冷却し、濾過して沈殿物を取り除く。その沈殿物は、場合によって、大気温度でpH3の水により二重に洗浄して取り込まれた硫酸アンモニウムを除去する。その洗浄ステップの間にさらに23%のNiが再可溶化されて約75%の最終のNiの回収が実現する。Moの再可溶化が起こるのは最小限である。最終の溶液(洗浄液を含む)は、0.53gpLのMo、1.49gpLのNi、及び0.08gpLのVが分析され、99.2%のMo、76.4%のNi、及び27.9%のVの金属沈殿効率に相当する。] [0115] 青味を帯びた明るい緑に見える沈殿物は、温かいアンモニア性溶液に可溶性である。その洗浄した沈殿固形物の分析により、34.2重量%の水分、42.6重量%のMo(乾燥基準)、3.17重量%のNi(乾燥基準)、わずかなV(0.02重量%未満)、6.8重量%の硫酸アンモニウム(Amsul)、3.4重量%のS及び13.4のMo/Ni比が明らかとなる。] [0116] 次のステップにおいて、洗浄水の一部をオートクレーブの供給材料にリサイクルする。残っている洗浄水及び主として硫酸アンモニウム(Amsul)である濾液は、ある程度の量のNiと共に低濃度のMo及びVを含有する。その溶液のpHを、アンモニアを添加して約7に高め、続いて200kPa(30psi)の圧力下のH2Sガスにより2時間硫化させる。80℃の温度でそのpHを6と7の間に維持し、続いて、Mo、Ni及びV硫化物の沈殿物を得る。そのスラリーは、液−固分離を受け、硫酸アンモニウム(Amsul)流は、肥料として使用するための硫酸アンモニウムを回収するためにさらに処理される。最終の硫酸アンモニウム(Amsul)流の分析は、45ppmのMo、5ppm未満のNi、及び26ppmのVを有する440gpLの硫酸アンモニウム(Amsul)を示す。] [0117] 硫化した固体の沈殿、濾過及び洗浄に続いて、回収した金属硫化物を含有するケーキは、オートクレーブの供給材料在庫としてタンクに保存する。それは、現場から離れた処理の金属再生業者向けに送ることもできる。] [0118] (例6) 53gpLの遊離のNH3、85gpLのMo、8.24gpLのNi、0.40gpLのV及び271gpLの硫酸アンモニウム(Amsul)を含有する10.6のpHを有するPLS流を用いて例5を繰り返す。そのPLS流のpHを、2.71に調節する。最終の溶液(洗浄液を含む)は、0.48gpLのMo、1.44gpLのNi、及び0.08gpLのVを示し、99.2%のMo、77.3%のNi、及び75%のVの金属沈殿効率に相当する。その洗浄した沈殿固体は、25.9重量%の水分、41.8重量%のMo(乾燥基準)、3.37重量%のNi(乾燥基準)、0.16重量%のV、3.8重量%の硫酸アンモニウム(Amsul)、2.76重量%のS及び12.4のMo/Ni比を示す。] [0119] 硫化後、その最終の硫酸アンモニウム(Amsul)流の濃度は、41ppmのMo、5ppm未満のNi、及び26ppmのVを伴う500gpLの硫酸アンモニウム(Amsul)を明らかにする。] [0120] (例7) この例においては、9.2のpHを有するPLS(濃い青色)流を単段の濃硫酸(96%)添加により約3.0に調節した。そのPLS組成物は、33gpLの遊離のNH3、80.9gpLのMo、7.9gpLのNi、0.17gpLのV及び277gpLの硫酸アンモニウム(Amsul)を含んだ。80℃の温度で約2時間の混合後、モリブデンの約99%がモリブデン化合物として沈殿する。残留Niの約98%もそのモリブデンと共に沈殿し、オクタモリブデン酸アンモニウムと硫酸ニッケルアンモニウムの複塩とを含む沈殿した混合物並びに非常に低濃度のモリブデン、ニッケル及びバナジウムを含有する第一の濾液物質をもたらす。] [0121] 青味を帯びた明るい緑に見えるモリブデート/及びニッケル沈殿物は、温かいアンモニア性溶液に可溶性である。その洗浄した沈殿固体の分析により、34.2重量%の水分、42.6重量%のMo(乾燥基準)、3.17重量%のNi(乾燥基準)、わずかなV(0.02重量%未満)、6.8重量%の硫酸アンモニウム(Amsul)、3.4重量%のS及び13.4のMo/Ni比が明らかとなる。精製したモリブデート製品溶液を得るために、その混合物を大気温度まで冷却し、濾過して濾液と沈殿物を分離し、その沈殿物を、次に、高温(80℃)のpH2の酸性にした水中25重量%で、30分間リパルピング(repulping)して、次の反応のようにオクタモリブデン酸アンモニウム固体からニッケルの複塩の溶解を可能にした: NiSO4・(NH4)2SO4・6H2O(固)→6H2O(aq)+NiSO4(aq)+(NH4)2SO4(aq)−−−−(1)] [0122] 得られた混合物を、濾過して溶解しないオクタモリブデート塩を第二の濾液を含むニッケルと硫酸アンモニウムの溶液から分離した。表1は、リパルピングして濾過したオクタモリブデートケーキ中のNi、V及び硫酸アンモニウムのそれぞれ0.36重量%、0.16重量%及び4重量%の濃度を示している。固形物の淡水による置換洗浄は、Ni、V及び硫酸アンモニウム濃度をそれぞれ0.05重量%、0.17重量%及び0.2重量%に低下させる。その洗浄ステップの間にさらに23%のNiが再可溶化して約75%の最終のNiの回収が実現する。Moの再可溶化が起こるのは最小限である。最終の溶液(洗浄液を含む)は、0.53gpLのMo、1.49gpLのNi、及び0.08gpLのVが分析され、99.2%のMo、76.4%のNi、及び27.9%のVの金属沈殿効率に相当する。 *洗浄していない固形物からの99%を超える硫酸アンモニウム(Amsul)の除去並びに1%未満のMo及びVの浸出] [0123] 該固形物は、次の反応のように、高温の希アンモニアに再可溶化/可溶化してモリブデン酸アンモニウム生成物を生じさせた: (NH4)4Mo8O26・5H2O(固)+12NH3(aq)+H2O(aq)→8(NH4)2MoO4(aq)−−−−(2)] [0124] 低溶解性のMo、Ni及びVの値と高い硫酸アンモニウム含量とを含有する第1ステップからの第一の濾液並びに低溶解性のMo及びVと高いNi及び硫酸アンモニウム含量を有するニッケル及び硫酸アンモニウム溶液の第二の濾液を組み合わせて、表4に示されている約6gpLのNi、330gpLの硫酸アンモニウム及び500ppm未満のMo及びVの合計を含む混合物を形成する。] [0125] 酸性の溶液のpHをアンモニアの添加により約8まで上昇させ、続いて、100kPaの圧力下のH2Sにより1時間かけて硫化する。100℃の温度でそのpHを8と8.5の間に維持し、続いてMo、Ni及びV化合物の沈殿を次の反応により得た: Ni(NH3)2SO4(aq)+H2S(ガス)→NiS(固)+(NH4)2SO4(aq)−−−−−−−−−−−−−−(3) 2NH4VO3(aq)+H2S(aq)→V2O4(固)+2NH3(aq)+S0+2H2O(aq)−−−−−−−−−−(4a) 及び/又は NH4VO3(aq)+4H2S(aq)+2NH3(aq)→(NH4)3VS4(aq)+3H2O(aq)−−−−−−−(4b) (NH4)2MoO4(aq)+3H2S(ガス)→MoS3(固)+4H2O(aq)+2NH3(aq)−−−−−−−−−(5a) 及び/又は (NH4)2MoO4(aq)+3H2S(g)→(NH4)2MoS4(aq)+4H2O−−−−−−−−−−−−−−−−(5b)] [0126] 表4に示されているように、すべての3つの金属は、より高いV及びMo濃度が硫酸アンモニウム流中に存在する可能性がある(反応4b及び5bの結果として)ものの、硫化した硫酸アンモニウム流中で<5ppmの濃度で沈殿する、反応3から発生した高容量のNiS(>9,000ppm)が、Mo及びVの両方を該溶液相から部分的に除去する共沈剤として作用したものと考えられる。] [0127] 該硫化した硫酸アンモニウムスラリーは液−固分離を受け、10ppm未満の合計金属含量を有するそのアンモニウム流は、肥料として使用するための精製した硫酸アンモニウム生成物を回収するためにさらに処理する。最終の硫酸アンモニウム流分析は、45ppmのMo、5ppm未満のNi、及び26ppmのVを伴う440gpLの硫酸アンモニウムを示す。] [0128] その濾過した固形物は、付着している硫酸アンモニウム及び可溶性硫化物を除去するために淡水により洗浄し、約20重量%の濃度の固形物にリパルピングする。そのスラリーをpH約5の酸性にして反応器に導入し、165℃及び1,100kPag(160psig)の全圧で酸素ガスにより加圧浸出をする。表5は、1未満の酸性pHの製品溶液を伴う1時間以内のNiS固形物の硫酸ニッケルへの完全な転化を示している。以下の反応が起こるものと考えられる: NiS(固)+2O2(ガス)→NiSO4−−−−−−−−−−−−−(6) V2O4(固)+2H2SO4(aq)→2VOSO4(aq)+2H2O−−(7) S0+3O2(ガス)2H2O(aq)→2H2SO4−−−−−−−−−(8) (NH4)2S(aq)+2O2(ガス)→(NH4)2SO4−−−−−(9) MoS3(固)+6O2(ガス)+4H2O(aq)→H2MoO4(aq)+3H2SO4−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−(10a) 及び/又は (NH4)2MoS4(aq)+8O2+4H2O→H2MoO4(aq)+(NH4)2SO4(aq)+3H2SO4(aq)−−−−−−−−−−−(10b)] [0129] (例8) この例においては、表6に示されている条件を有する試験により、次のステップを実行して硫酸アンモニウム(Amsul)流中のMo及びV濃度を低下することができる:a)第一の供給材料溶液のpHを希アンモニアにより約8に調整し、リン酸水素二アンモニウムとしての約200ppmのPを加え、続いて20分間硫化し;b)そのスラリーのpHを硫酸により約2に調整し、続いて20分間硫化し;c)最後のスラリーのpHを希アンモニアにより約8に調整し、続いて20分間硫化する。] [0130] 表6は、半合成溶液又は金属含量が激減したパイロットプラントで硫化した溶出液に関するいくつかの試験からのバッチの結果を表しており、そのパイロット生産溶液は、合成のMo、Ni、V及び硫酸アンモニウム(Amsul)の塩で補充し、その試験は、さまざまなpH及びDAHP含量で行なった。表1に示されているデータに基づき、Niは、酸性及び塩基性範囲の両方で大きな溶解性の問題は示さなかった。試験番号1は、中性からアンモニア性のpHにおける連続的硫化は、Mo及びVの値を硫酸アンモニウム(amsul)溶出液において許容濃度まで低下しないことを明らかにしている。試験番号2は、硫化した溶出液中の高いMoの濃度は、最初に塩基性範囲に調整しない酸性の供給材料溶液のpHの結果であったことを示している。V濃度は、このpHの連続域において影響されなかった。試験番号3は、Mo濃度は、硫化中に入ってくる溶液のpHを酸性からアンモニア性乃至酸性及び最後に塩基性範囲に90分間にわたって調節することによって硫化溶出液中で減少させることができるが、V濃度は依然として許容できない高さであることを表している。試験番号4は、リンに基づく化合物の、リン酸水素二アンモニウム又はDAHPの導入が、硫化した溶出液中のVを許容できる濃度まで低下したことを明らかにしている。Mo濃度は、第一の供給材料溶液のpHをアンモニア性の領域内に調節しなかった結果高かったが、金属値は、試験2より著しく低下しており、ホスフェート添加とのプラスの相乗効果を示した。] [0131] 各試験において示されているように、ホスフェート化合物(DAHP)を添加することによって、新たに形成されたホスホモリブデン酸アンモニウム(反応4)が、可溶化したバナジウム種に対する共沈剤として機能し、かくして硫化した硫酸アンモニウム(amsul)溶出液スラリー中の可溶性バナジウムの濃度を最小限にするものと考えられる。硫化した硫酸アンモニウム(amsul)スラリーは、液−固分離(ステップ6)を受けて、その硫酸アンモニウム(amsul)流は、10ppm未満の全金属含量を有する。] [0132] 硫化した硫酸アンモニウム(amsul)スラリーは、液−固分離(ステップ6”)を受けて、5ppm未満の全金属含量を有するその硫酸アンモニウム(amsul)流は、原発明(ステップ7)のように処理される。ステップ6”(図2)からの濾過した固形物は、淡水により洗浄して付着している硫酸アンモニウム(amsul)及び可溶性の硫化物を除去し、リパルピングして約20重量%の固形物の濃度にする。そのスラリーをpH約5の酸性にして反応器に導入し、165℃及び1,100kPag(160psig)の全圧で酸素ガスにより加圧浸出をする。] 図2 [0133] 表7は、すべての3つの金属が、より高いV及びMo濃度が硫酸アンモニウム(Amsul)流中に存在する可能性が予測される(反応13及び15の結果として)けれども、硫化した硫酸アンモニウム(Amsul)流中で<5ppmの濃度まで沈殿し、反応11から発生した高容量のNiS(>40,000ppm)が、Mo及びVの両方を該溶液相から部分的に及び/又は完全に除去する共沈剤として作用したものと考えられる。] [0134] 本明細書及び添付の特許請求の範囲の目的において、他に断りのない限り、量、百分率又は割合を表すすべての数字、及び本明細書及び特許請求の範囲中で使用されているその他の数値は、すべての例において用語「約」によって修飾されているものと理解すべきである。従って、そうでないことが示されていない限り、以下の明細書及び添付の特許請求の範囲中に示されている数値パラメーターは、本発明によって得られることが追求される望ましい特性によって変動し得る近似値である。本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用されている単数形の冠詞「a」、「an」及び「the」は、単数を示すものと明示的にはっきりと限定されていない限りは、複数をも示すことに留意する。本明細書で用いられている用語の「含む(include)」及びその文法的変形は、リスト中の項目の列挙が、リストの項目を置換又はそれに追加することができるその他の似た項目を排除しないように、非限定であることが意図されている。] 実施例 [0135] この明細書は、最良の態様を含む本発明を開示するため、且つ又、当業者のだれもが本発明を行い、利用することを可能にする例を用いている。特許の範囲は、該特許請求の範囲によって定義され、当業者の心に浮かぶその他の例も含み得る。かかるその他の例は、それらが該特許請求の範囲の文字通りの専門用語と異ならない構造要素を有する場合、又はそれらが該特許請求の範囲の文字通りの専門用語と同等の本質的でない違いを有する構造要素を含む場合は該特許請求の範囲の範囲内であることを意味する。]
权利要求:
請求項1 炭化水素油水素化処理のためのVIB族金属硫化物触媒及びVIII族金属を助触媒とする少なくともVB族金属に由来する使用済み分散触媒から金属を回収する方法であって、該使用済み分散触媒をアンモニア及び空気を含有する浸出溶液と接触させて該VIB族金属及び該VIII族金属を、少なくともVIB族可溶性金属錯体と少なくともVIII族可溶性金属錯体と少なくともVB族金属錯体及びコークスを含有する固体残留物とを含有する加圧浸出スラリーを形成するのに十分な温度と圧力で、該浸出溶液中に溶解するステップ、該VB族金属錯体及びコークスを含有する固体残留物を前記加圧浸出スラリーから分離及び除去して、加圧浸出溶液を形成するステップ、並びに該加圧浸出溶液(PLS)からVIB族金属の少なくとも一部及びVIII族金属の少なくとも一部を沈殿させるステップであって、該沈殿を、該VIB族金属の少なくとも一部及び該VIII族金属の少なくとも一部を金属錯体として沈殿させるように予め選択した第一のpHで行なう上記ステップを含む上記方法。 請求項2 前記VB族金属がバナジウムであり、前記VB族金属錯体がメタバナジン酸アンモニウムを含む、請求項1に記載の方法。 請求項3 沈降、濾過、デカンテーション、遠心分離及びそれらの組合せから選択される少なくとも1つの分離手段によって沈殿した前記金属錯体を回収し、前記VIB族金属の少なくとも一部及び前記VIII族金属の少なくとも一部を実質的に含まない第一の上澄み液を形成するステップをさらに含む、請求項1又は2のいずれか一項に記載の方法。 請求項4 前記第一の上澄み液が、前記金属回収用の使用済み分散触媒中の前記VIB族金属の0.1〜3%、前記金属回収用の使用済み分散触媒中の前記VB族金属の1〜20%、及び前記金属回収用の使用済み分散触媒中の前記VIII族金属の1〜35%を含有する、請求項3に記載の方法。 請求項5 前記第一の上澄み液から前記VIB族金属の少なくとも一部及び前記VIII族金属の少なくとも一部を沈殿させるステップであって、該沈殿を、予め選択した第二のpHで、沈殿させる前の該第一の上澄み液中に初めに存在する該VIB族金属の少なくとも95%及び該VIII族金属の少なくとも95%を金属錯体として沈殿させるように予め選択した第二のpHで行なう上記ステップをさらに含む、請求項4に記載の方法。 請求項6 沈降、濾過、デカンテーション、遠心分離及びそれらの組合せから選択される少なくとも1つの分離手段によって前記VIB族及び前記VIII族金属硫化物を回収し、100ppm未満の該VIB族金属及び20ppm未満の該VIII族金属、及び100ppm未満の前記VB族金属を含む第二の上澄み液を形成するステップをさらに含む、請求項5に記載の方法。 請求項7 前記VIB族金属の少なくとも90%を金属錯体として前記加圧浸出溶液から沈殿させる、請求項1から6までのいずれか一項に記載の方法。 請求項8 前記VIB族金属がモリブデンであり、予め選択した前記第一のpHが2.5〜3.3の範囲であり、90%を超えるモリブデンをモリブデン酸塩錯体として沈殿させるものである、請求項1から7までのいずれか一項に記載の方法。 請求項9 前記加圧浸出溶液(PLS)を、鉱酸又はスルフヒドリル基若しくはイオン化したスルフヒドリル基を有する硫黄化合物、或いはそれらの混合物の少なくとも1つを該PLSに加えることによって予め選択した前記第一のpHに調整する、請求項1から8までのいずれか一項に記載の方法。 請求項10 前記PLSのpHを、硫酸、塩酸、リン酸及び硝酸の群から選択される酸により3.5以下のpHに調整する、請求項1から9までのいずれか一項に記載の方法。 請求項11 前記モリブデンの少なくとも95%をモリブデン酸塩錯体として沈殿させるために、前記PLSを硫酸の添加により3以下のpHに調整する、請求項10に記載の方法。 請求項12 前記加圧浸出溶液のpHを、水溶性硫化物、水溶性多硫化物、又はそれらの混合物の少なくとも1つにより3以下のpHに調整する、請求項9に記載の方法。 請求項13 前記金属回収用の使用済み分散触媒中の前記VIB族金属がモリブデンであり、前記金属回収用の使用済み分散触媒中の前記VIII族金属がニッケルであり、前記金属回収用の使用済み分散触媒中の前記VB族金属がバナジウムであり、前記第一の上澄み液が、該使用済み分散触媒中に存在する該モリブデンの0.1〜3%、該使用済み分散触媒中に存在する該バナジウムの1〜20%、及び該使用済み分散触媒中に存在する該ニッケルの1〜35%を含有する、請求項3から12までのいずれか一項に記載の方法。 請求項14 水溶性硫化物、水溶性多硫化物、又はそれらの混合物の少なくとも1つを、5と7の間のpHのために前記第一の上澄み液に加えて、Mo、Ni、及びV硫化物の沈殿を得る、請求項13に記載の方法。 請求項15 H2Sを、前記第一の上澄み液に、大気圧から100psigまでの圧力及び50℃から95℃までの範囲の温度で加える請求項14に記載の方法。 請求項16 前記金属回収用の使用済み分散触媒中の前記VIB族金属がモリブデンであり、前記金属回収用の使用済み分散触媒中の前記VIII族金属がニッケルであり、前記金属回収用の使用済み分散触媒中の前記VB族金属がバナジウムであり、該モリブデンの少なくとも95%をモリブデン酸塩錯体として沈殿させるために、前記加圧浸出溶液を硫酸の添加により3以下のpHに調整し、該モリブデン酸塩錯体を濾過によって前記第一の上澄み液から分離し、H2Sを、該第一の上澄み液に、大気圧から100psigまでの圧力及び50℃から95℃までの範囲の温度で加えて、Mo、Ni、及びV硫化物の沈殿を得、該Mo、Ni、及びV硫化物を第二の上澄み液から濾過によって分離し、そして該第二の上澄み液が、100〜1000gpLの硫酸アンモニウム、100ppm未満のモリブデン、20ppm未満のニッケル、及び100ppm未満のバナジウムを含有する、請求項6に記載の方法。 請求項17 一般式(X)a(M)b[(CH3CH2)cN(CH3)3]dOz(式中、XはVIII族非貴金属であり、Mは、Mo及びW並びにそれらの組合せから選択されるVIB族金属であり、cは10から40までの整数であり、a:bのモル比は0.5/1から3/1までである)を有しており、少なくともVB族金属を含有する水素化処理触媒に由来する使用済み分散触媒から金属を回収する方法であって、該使用済み分散触媒をアンモニア及び空気を含有する浸出溶液と接触させて、該VIB族金属及び該VIII族金属を、少なくともVIB族可溶性金属錯体と少なくともVIII族可溶性金属錯体と硫酸アンモニウムと少なくともVB族金属錯体及びコークスを含有する固体残留物とを含有する加圧浸出スラリーを形成するのに十分な温度と圧力で、前記浸出溶液中に溶解するステップ、該VB族金属錯体及びコークスを含有する該固体残留物を該加圧浸出スラリーから分離及び除去するステップ、並びに該加圧浸出スラリーから該VIB族金属の少なくとも一部及び該VIII族金属の少なくとも一部を沈殿させるステップであって、該沈殿を、該VIB族金属の少なくとも一部及び該VIII族金属の少なくとも一部を金属錯体として沈殿させるために予め選択した第一のpHで行なう上記ステップとを含む上記方法。 請求項18 前記沈殿した金属錯体を濾過によって回収し、前記金属回収用の使用済み分散触媒中の前記VIB族金属の0.1〜3%、前記金属回収用の使用済み分散触媒中の前記VB族金属の1〜20%、及び前記金属回収用の使用済み分散触媒中の前記VIII族金属の1〜35%を含有する第一の上澄み液を形成するステップ、該第一の上澄み液から該VIB族金属の少なくとも一部及び該VIII族金属の少なくとも一部を沈殿させるステップであって、該沈殿を、予め選択した第二のpHであって、沈殿させる前の該第一の上澄み液中に初めに存在する該VIB族金属の少なくとも95%及び該VIII族金属の少なくとも95%を金属硫化物として沈殿させるために予め選択した上記第二のpHで行なう上記ステップ、並びに濾過によって該VIB族及び該VIII族金属の硫化物を回収し、100ppm未満の該VIB族金属及び20ppm未満の該VIII族金属、及び100ppm未満の該VB族金属を含む第二の上澄み液を形成するステップをさらに含む、請求項17に記載の方法。 請求項19 前記VIB族金属がモリブデンであり、該モリブデンの90%より多くを沈殿させるために予め選択したpHが2.5〜3.3の範囲である、請求項18に記載の方法。 請求項20 前記水素化処理触媒に由来する使用済み分散触媒が、0.01〜200ミクロンのメジアン(median)径を有する、請求項1から19までのいずれか一項に記載の方法。 請求項21 前記使用済み分散触媒が、窒素吸着により測定して0.05〜5ml/gの細孔容積を有する、請求項1から20までのいずれか一項に記載の方法。 請求項22 少なくともVB族金属を含む一般式(Mt)a(Xu)b(Sv)d(Cw)e(Hx)f(Oy)g(Nz)h(式中、Mは少なくとも1つのVIB族金属であり、Xは非貴金属のVIII族金属、VIIIB族金属、VIB族金属、IVB族金属、及びIIB族金属の少なくとも1つであり、0≦b/a≦5、(a+0.5b)≦d≦(5a+2b)、0≦e≦11(a+b)、0≦f≦7(a+b)、0≦g≦5(a+b)、0≦h≦0.5(a+b)であり、t、u、v、w、x、y、zは、M、X、S、C、H、O及びNのそれぞれについての全電荷をそれぞれ表し、ta+ub+vd+we+xf+yg+zh=0である)を有する使用済み分散触媒からバナジウムを含む金属を回収する方法であって、該使用済み分散触媒をアンモニア及び空気を含有する浸出溶液と接触させて、該VIB族金属及び該VIII族金属を、少なくともVIB族可溶性金属錯体、少なくともVIII族可溶性金属錯体、硫酸アンモニウム並びに少なくともVB族金属錯体及びコークスを含有する固体残留物を含有する加圧浸出スラリーを形成するのに十分な温度と圧力で、該浸出溶液中に溶解するステップ、メタバナジン酸アンモニウム及びコークスを含有する該固体残留物を該加圧浸出スラリーから分離及び除去するステップ、該加圧浸出スラリーから該VIB族金属の少なくとも一部及び該VIII族金属の少なくとも一部を沈殿させるステップであって、該沈殿を、該VIB族金属の少なくとも一部及び該VIII族金属の少なくとも一部を金属錯体として沈殿させるように予め選択した第一のpHで行なう上記ステップ、該金属錯体を濾過によって回収し、該金属回収用の使用済み分散触媒中の該VIB族金属の0.1〜3%、該金属回収用の使用済み分散触媒中の該VB族金属の1〜20%、及び該金属回収用の使用済み分散触媒中の該VIII族金属の1〜35%を含有する第一の上澄み液を形成するステップ、該第一の上澄み液から該VIB族金属の少なくとも一部及び該VIII族金属の少なくとも一部を沈殿させるステップであって、該沈殿を、予め選択した第二のpHであって、沈殿させる前の該第一の上澄み液中に初めに存在する該VIB族金属の少なくとも95%及び該VIII族金属の少なくとも95%を金属錯体として沈殿させるように予め選択した第二のpHで行なう上記ステップ、並びに濾過によってVIB族及びVIII族金属硫化物を回収し、100ppm未満の該VIB族金属及び20ppm未満の該VIII族金属、及び100ppm未満の該VB族金属を含む第二の上澄み液を形成するステップを含む上記方法。 請求項23 前記VIB族金属がモリブデンであり、前記VIII族金属がニッケルである、請求項22に記載の方法。 請求項24 炭化水素液から分散触媒を分離するためのプロセスであって、該炭化水素液及び該分散触媒を含むブリードスラリーを得るステップと、該ブリードスラリーを冷却するステップ、該ブリードスラリーを凝集剤中に混合して、該炭化水素液、第一の溶媒及び該分散触媒を含有する凝集物を含む第一の混合物を形成するステップ、第一の遠心分離において、該第一の混合物を分離して、第二の混合物及び第三の混合物(該第二の混合物は低濃度の該凝集物を含有し、該第三の混合物は高濃度の該凝集物を含有する)を形成するステップ、該第二の混合物を少なくとも1つの第二の遠心分離において分離して該第一の溶媒及び該炭化水素液を含む第四の混合物及び高濃度の該凝集物を含有する第五の混合物を形成するステップ、フィードタンク中で該第三の混合物と該第五の混合物とを組み合わせて、高濃度の該凝集物、低濃度の該第一の溶媒及び低濃度の該炭化水素液を含む最終混合物を形成するステップ、乾燥装置中で該最終混合物を乾燥して炭化水素蒸気混合物及びコークス化物質を形成するステップ(該炭化水素蒸気は、該溶媒、該炭化水素液の軽質部分及び同伴量の該分散触媒を含み、該コークス化物質は、該分散触媒及び該炭化水素液の重質部分を含む)、該乾燥装置から該炭化水素蒸気混合物を回収し、該同伴量の分散触媒、該溶媒及び該炭化水素液の軽質部分を1つ又は複数のコンデンサ及び1つ又は複数の石油回収カラムのシステムを用いて分離するステップ、並びに該コークス化物質を該乾燥装置から回収するステップ、を含む上記プロセス。 請求項25 前記第一の溶媒が、ナフサ、重質ナフサ、軽質ナフサ、ヘキサン及びヘプタンからなる群から選択されるアスファルテン凝集剤である、請求項25に記載のプロセス。 請求項26 重質油中にスラリー化した分散触媒から触媒金属を回収するプロセスであって、該重質油中にスラリー化した分散触媒を熱分解して1つ又は複数のより軽質の石油製品及びコークス様の物質を提供するステップ、及び触媒金属を該コークス様の物質から回収するステップとを含む上記プロセス。 請求項27 前記熱分解が、標準型ディレードコーキングユニット、修正型ディレードコーキングユニット、スクリュー反応器タイプの熱分解装置、スクリューコーカー、ロータリーキルン、及び回転式焼成器からなる群から選択される反応器中で行われる請求項26に記載のプロセス。 請求項28 前記熱分解ステップが700°Fより高い温度まで加熱することを含む、請求項26又は27に記載のプロセス。 請求項29 前記熱分解ステップが0.5時間より長く加熱することを含む、請求項26から28までのいずれか一項に記載のプロセス。 請求項30 前記コークス様物質が、前記分散触媒中の前記触媒金属の浸出を可能にするのに十分な気孔率を有する、請求項26から29までのいずれか一項に記載のプロセス。 請求項31 重質油中にスラリー化した分散触媒を、触媒金属を回収することができるコークス様物質に転化するためのプロセスであって、該重質油中にスラリー化した該分散触媒を、該重質油中のアスファルテンが該重質油から沈殿することを引き起こす溶媒と共に混合するステップ、該分散触媒及び該沈殿したアスファルテンを、該重質油及び該溶媒から分離するステップ、並びに該重質油から分離した該分散触媒及び沈殿した該アスファルテンを、熱分解することによって、該沈殿したアスファルテンをコークス様の物質に転化するステップを含む上記プロセス。 請求項32 前記コークス様物質から触媒金属を回収するステップをさらに含む、請求項31に記載のプロセス。 請求項33 前記重質油及び前記溶媒を分離するステップをさらに含む、請求項31に記載のプロセス。 請求項34 前記溶媒が、軽質ナフサ、重質ナフサ、ケロシン、及びそれらの混合物からなる群から選択される溶媒を含む、請求項31から33までのいずれか一項に記載のプロセス。 請求項35 前記重質油から前記分散触媒及び前記沈殿したアスファルテンを分離するステップが、重力デカンティング(gravitydecanting)、遠心力デカンティング(centrifugaldecanting)、及びそれらの組合せからなる群から選択される分離プロセスを含む、請求項31から34までのいずれか一項に記載のプロセス。 請求項36 前記重質油から前記分散触媒及び前記沈殿したアスファルテンを分離するステップが、500から5000g重(g−force)の間の遠心力を用いることを含む、請求項31から35までのいずれか一項に記載のプロセス。 請求項37 前記重質油から前記分散触媒及び前記沈殿したアスファルテンを分離するステップが、0.5〜4分間遠心力を用いることを含む、請求項31から36までのいずれか一項に記載のプロセス。 請求項38 熱分解が、標準型ディレードコーキングユニット、修正型ディレードコーキングユニット、スクリュー反応器タイプの熱分解装置、スクリューコーカー、ロータリーキルン、及び回転式焼成器からなる群から選択される反応器中で行われる、請求項31から37までのいずれか一項に記載のプロセス。 請求項39 前記分散触媒及び前記沈殿したアスファルテンを熱分解するステップが、700°Fより高い温度まで加熱することを含む、請求項31から38までのいずれか一項に記載のプロセス。 請求項40 前記分散触媒が、10ミクロン未満の大きさを有する粒子を含む、請求項31から39までのいずれか一項に記載のプロセス。 請求項41 使用済み触媒から金属を回収する方法であって、a)VB族金属、VIB族金属及びVIII族金属を、該使用済み触媒から、アンモニア含有浸出溶液により、少なくともVIB族可溶性金属錯体と少なくともVIII族可溶性金属錯体と第一の固体残留物とを含む加圧浸出スラリーを形成するのに十分な温度と圧力で浸出させるステップ、b)該第一の固体残留物を、該加圧浸出スラリーから分離及び除去して、該VIB族可溶性金属錯体と少なくとも該VIII族可溶性金属錯体とを含む第一の加圧浸出溶液を形成するステップ、c)該第一の加圧浸出溶液から該VIB族可溶性金属錯体の少なくとも一部を含む第二の固体残留物を沈殿させて、少なくとも該VIII族可溶性金属錯体の少なくとも一部を含む第二の加圧浸出溶液を形成するステップ、d)該第二の加圧浸出溶液から第二の固体残留物を分離して、該VB族、VIB族及びVIII族金属を実質的に含まない第一の濾液を形成するステップ、e)該第二の固体残留物を溶解してVIB族金属沈殿物及びVIII族金属を含有する溶液を形成するステップ、並びに(f)該VIB族金属沈殿物を該VIII族金属含有溶液から分離し、該VIB族金属沈殿物を希塩基中に溶解してVIB族金属製品を形成するステップを含む上記方法。 請求項42 VIII族可溶性金属錯体並びに微量のVB族及びVIB族金属を含む第二の濾液を回収するステップ、該第二の濾液を前記ステップ(d)の第一の濾液と組み合わせて、実質的に該VIII族可溶性金属錯体並びに微量のVB族及びVIB族金属を含む組み合わせた濾液を形成するステップ、該組み合わせた濾液から硫化処理をもって該VB族、VIB族及びVIII族金属を沈殿させて、第三の固体残留物及び第三の濾液を形成するステップ、並びに該第三の固体残留物を該第三の濾液から分離するステップをさらに含む、請求項41に記載の方法。 請求項43 前記第三の固体残留物を溶解してVIII族金属製品溶液を形成するステップをさらに含む、請求項42に記載の方法。 請求項44 前記第三の濾液を加水分解及び酸化して精製溶液を形成するステップをさらに含む、請求項42又は43のいずれか一項に記載の方法。 請求項45 前記沈殿ステップ(c)を、3.0未満のpH及び約75℃と85℃の間の温度で少なくとも2時間行なう、請求項41から44までのいずれか一項に記載の方法。 請求項46 前記精製溶液が硫酸アンモニウムである、請求項44又は45のいずれか一項に記載の方法。 請求項47 前記第一の固体残留物が、VB族金属、VB族金属錯体、及びコークスを含む、請求項41から46までのいずれか一項に記載の方法。 請求項48 前記VB族金属がバナジウムであり、前記VB族金属錯体がメタバナジン酸アンモニウムを含む、請求項47に記載の方法。 請求項49 前記第一の濾液が、使用済み触媒中の前記VIB族金属の0.1〜3%、使用済み触媒中の前記VB族金属の1〜20%、及び使用済み触媒中の前記VIII族金属の1〜35%を含む、請求項41から48までのいずれか一項に記載の方法。 請求項50 前記組み合わせた濾液が、前記VIB族金属の少なくとも一部及び前記VIII族金属の少なくとも一部を含み、前記硫化処理が、前記第一の濾液及び前記第二の濾液中に存在する該VIB族金属の少なくとも95%及び該VIII族金属の少なくとも95%を金属硫化物として沈殿させる予め選択した第三のpHで行われる、請求項42から49までのいずれか一項に記載の方法。 請求項51 前記第三の濾液が、100ppm未満の前記VIB族金属、20ppm未満の前記VIII族金属、及び100ppm未満の前記VB族金属を含む、請求項42から49までのいずれか一項に記載の方法。 請求項52 前記VIB族金属の少なくとも90%が金属錯体として前記加圧浸出溶液から沈殿する、請求項41から51までのいずれか一項に記載の方法。 請求項53 前記VIB族金属がモリブデンであり、モリブデンの90%より多くをモリブデン酸塩錯体として沈殿させるために予め選択した第一のpHが2.5〜3.3の範囲である、請求項41から52までのいずれか一項に記載の方法。 請求項54 硫酸アンモニウム、前記VIII族可溶性金属錯体並びに微量のVB族及びVIB族金属を含む第二の濾液を形成するステップ、第一の沈殿方法において前記第一の濾液を処理して、第一の固体残留物及び第一の液体部分を形成するステップ、第二の沈殿方法において該第二の濾液を処理して、第二の固体残留物及び第二の液体部分を形成するステップ、該第一の固体残留物を該第一の液体部分から分離するステップ、該第二の固体残留物を該第二の液体部分から分離するステップ、並びに該第二の固体残留物を溶解してVIII族製品溶液を形成するステップをさらに含む、請求項41に記載の方法。 請求項55 前記第一の液体部分及び前記第二の液体部分を組み合わせて、VB族、VIB族及びVIII族金属を実質的に含まない組み合わせた上澄み液を形成するステップをさらに含む、請求項54に記載の方法。 請求項56 前記組み合わせた上澄み液を、220℃と240℃の間の温度でのスルファミン酸塩の加水分解及び硫化物の酸化にかけて精製溶液を形成するステップをさらに含む、請求項55に記載の方法。 請求項57 前記精製溶液が硫酸アンモニウムである、請求項56に記載の方法。 請求項58 前記第一の濾液が、実質的に硫酸アンモニウム並びに前記金属回収用の使用済み触媒中の前記VIB族金属の約0.1〜3%、該金属回収用の使用済み触媒中の前記VB族金属の約1〜20%、及び該金属回収用の使用済み触媒中の前記VIII族金属の約1〜35%を含む、請求項41から57までのいずれか一項に記載の方法。 請求項59 前記第一の沈殿方法が、前記VB族金属の少なくとも90%並びに前記VIB族及びVIII族金属の少なくとも95%を除去するのに十分な温度、圧力、及び時間での硫黄含有化合物及び酸化物による硫化を含む、請求項54から58までのいずれか一項に記載の方法。 請求項60 前記酸化物が、硫化の直前に前記第一の濾液に加えられるリン酸水素二アンモニウムの塩である、請求項59に記載の方法。 請求項61 前記第二の沈殿方法が、前記VB族金属の少なくとも90%並びに前記VIB族及びVIII族金属の少なくとも95%を除去するのに十分な温度、圧力、及び時間での硫黄含有化合物による硫化を含む、請求項53から59までのいずれか一項に記載の方法。 請求項62 前記硫化が、100kPa圧の硫化水素ガスにより、8と9の間のpH中、90℃と160℃の間の温度で、50分と70分の間のパートタイム(part−time)で行われる、請求項61に記載の方法。 請求項63 前記組み合わせた上澄み液が、100ppm未満の前記VIB族金属、20ppm未満の前記VIII族金属、及び100ppm未満の前記VB族金属を含む、請求項55から62までのいずれか一項に記載の方法。 請求項64 一般式(X)a(M)b[(CH3CH2)cN(CH3)3]dOz(式中、XはVIII族非貴金属であり、Mは、Mo及びW並びにそれらの組合せから選択されるVIB族金属であり、cは10から40までの整数であり、a:bのモル比は0.5/1から3/1までである)を有しており、少なくともVB族金属を含有する水素化処理触媒に由来する使用済み触媒から金属を回収する方法であって、VB族金属、VIB族金属及びVIII族金属を、該使用済み触媒からアンモニア含有浸出溶液により、最初に選択したpH及び少なくともVIB族可溶性金属錯体と少なくともVIII族可溶性金属錯体と第一の固体残留物とを含む加圧浸出スラリーを形成するのに十分な温度と圧力で浸出させるステップ、該第一の固体残留物を前記加圧浸出スラリーから分離及び除去して該VIB族可溶性金属錯体及び該VIII族可溶性金属錯体を含む第一の加圧浸出溶液を形成するステップ、該第一の加圧浸出溶液から該VIB族可溶性金属錯体の少なくとも一部を含む第二の固体残留物を沈殿させて、該VIII族可溶性金属錯体の少なくとも一部を含む第二の加圧浸出溶液を形成するステップ、該第二の固体残留物と、VB族、VIB族及びVIII族金属を実質的に含まない第一の濾液とを該第二の加圧浸出溶液から分離するステップ、該第二の固体残留物を溶解して、VIB族金属沈殿物及びVIII族金属含有溶液を形成するステップ、並びに該VIB族金属沈殿物を該VIII族金属含有溶液から分離し、該VIB族金属沈殿物を、VIB族金属製品を形成するのに十分な温度の希塩基中で溶解するステップを含む上記方法。 請求項65 実質的に、硫酸アンモニウム、前記VIII族可溶性金属錯体並びに微量のVB族及びVIB族金属を含む第二の濾液を形成するステップと、第一の沈殿方法における前記第一の濾液を処理して第一の固体残留物及び第一の液体部分を形成するステップ並びに別に第二の沈殿方法における前記第二の濾液を処理して第二の固体残留物及び第二の液体部分を形成するステップと、該第一の固体残留物を該第一の液体部分から分離するステップと、加圧浸出スラリーの形成で使用するために該第一の固体残留物を該使用済み触媒と組み合わせるステップと、該第二の固体残留物を該第二の液体部分から分離し、該第二の固体残留物を溶解してVIII族製品溶液を形成するステップとをさらに含む、請求項64に記載の方法。
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